「黒い雨、私も浴びた」 広島の援護区域外36人認定申請
2015年3月25日 朝日新聞
 70年前の原爆投下直後に降った「黒い雨」で被爆したと認めてほしい――。広島市で暮らす80~70代の男女36人が23日、被爆者健康手帳などの交付を求めて集団申請した。公的な援護の枠の外に置かれ続け、すでに亡くなった人も少なくないという。「もう時間がない」。申請者は切実な思いで行政の扉をたたいた。

 国は76年、被爆者援護法にもとづいて「黒い雨」が激しく降った地域(大雨地域)を援護の対象区域に指定。この区域で雨を浴びた人には、被爆者と同じ健康診断を受けられる「第一種健康診断受診者証」を交付するようになった。また、がんなどの疾病にかかった人は被爆者健康手帳に切り替えられるようにした。

 これに対し、広島県と広島市は2008年度の調査で「援護対象区域の6倍の範囲で黒い雨が降った可能性がある」として国に区域の拡大を求めた。しかし、厚生労働省の検討会はこの可能性を認めず、国は区域を拡大しなかった。

 厚労省が原爆症認定基準の基礎にしている放射線影響研究所の疫学調査では、「残留放射線」の関与は「初期放射線量」の誤差範囲内にあるとして、無視されている。
黒い雨地図
2015年3月25日 朝日新聞より
放影研被爆者調査における被爆者は爆心地を囲む青太線円内で被爆、
非被爆者は外円と内円の間のドーナツ区域の被爆者 
被曝の影響を比較した非被爆者が、残留放射能によって被曝していた可能性が大きい。

 <黒い雨> 原爆投下後に降った放射性物質を含む雨を指す。国は1976年、広島市の爆心地の「東西約11キロ」「南北約19キロ」で大雨が降ったとして、公費で健康診断が受けられる援護区域に指定した。小雨だったとされる地域、広島県と8市町が「黒い雨が降った」とする区域の人には健康相談が実施されている。援護区域は長崎でも指定されている。区域外で黒い雨の影響などを訴える人が被爆者と同じ対応を求める訴訟を起こしたが、長崎地裁は2012年に「証拠がない」と判断。控訴審が続いている。
2015.03.30 Mon l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top
3.11福島原発事故から4年が経とうとしている。
福島の記憶の半減期は、放出された莫大な放射性物質の半減期より短いのか。
被曝して故郷を失った人たちの、放射能に汚染された地域に残された人々の苦難を
忘れ去ろうとしているかに見える。

政府は年間20ミリシーベルト以下の地域に住民を帰還を進めている。
外部被曝のみで、5年間で最大100ミリシーベルト
妊婦、子どもを含めた家族が、
放射線作業従事者に現在認められている年間の最大被曝線量(20mSv)
の中で暮らすことを強要することは人道的に許されるのか?
チェルノブイリ原発事故でのチェルノブイリ法による
年間5ミリシーベルト以上 居住禁止・強制移住区域を思い起こす必要がある。

厚労省HPの広島原爆線量を見る。
図1. 放影研原爆被爆者調査のの被爆者・非被爆者の定義、福島の帰還基準年間20ミリシーベルト、100ミリシーベルト安全説の100ミリシーベルト相当の被爆距離を示した。
広島放射線量2
年間20ミリシーベルト帰還基準は爆心地から2.4kmで被爆に相当
100ミリシーベルト安全説は
爆心地から 1.9kmで被爆OK
に相当

爆心地から3.5km以内(被曝線量≒1ミリシーベルト)で厚労省はがん等を
被爆による「原爆症」であると積極的に認定をしている。

100 ミリシーベルト、年間 20 ミリシーベルトが安全であろうか?

UNSCEAR(国連科学委員会)、>ICRP(国際放射線防護委員会)、IAEA(国際原子力機関)
の放射線リスク評価や放射線防護基準等の根拠となっている
<放射線影響研究所の原爆被曝者疫学調査を検証する。
 日本は唯一の原爆被ばく国。原爆投下で多くの人々が亡くなったが、その後70年近くたっても多くの被曝者が放射能の被害で苦しんでいる。福島原発事故の被曝影響を知るには、原爆被曝者の今を知ることが重要。
放影研原爆被爆者寿命調査(Life Span Study, LSS)では、広島・長崎の爆心地から10km以内の被爆者約9万4000人と、広島・長崎在住だが原爆爆発時に市内にいなかった約2万7000人の計約12万人の追跡調査を 1950~現在まで継続して行っている。

 「厚労省が原爆症認定基準の基礎にしているのは、放射線被ばくによって、がんなどが一般人と比べ被爆者にどれだけ多く発症したかを調べた放射線影響研究所の疫学調査である」と書かれている。放射線の健康影響を調べるためには、被曝の影響を受けない一般人”非被曝者”グループが必要。選ばれた”非被曝者”は被曝していない一般人であったのか?
検証8で詳述するが、疫学調査の一般人は
”非被曝者” = ”爆心地から 2.5~10kmで被爆した人”
”被爆者”= ”爆心地から 1~2.5kmで被爆した人” と比較されていた。
(爆心地から1km以内ではほぼ全員が死亡)
放影研の原爆被曝者疫学調査の破綻 しているのではないか?
  
 これらの疑問を検証するのが放影研の原爆被曝者調査検証の目的である。
放影研の原爆被曝者調査検証 概要・目次
検証1 100ミリシーベルト安全説 
検証2 100ミリシーベルト以下で がん死亡率が増えている1
検証3 100ミリシーベルト以下で がん死亡率が増えている 2
検証4 被爆時年齢とがんリスク 10歳は50歳の5倍のリスク
検証5 「帰還基準20ミリシーベルト」 を打ち出した原子力規制委員会
検証6 原爆投下後の状況
検証7 被爆者の被曝線量 20ミリシーベルト帰還は原爆爆心地から2.4kmで被爆に相当 
検証8 被爆者を被爆者と比較 原爆の低線量被曝影響は隠された
「黒い雨」 広島の援護区域外36人認定申請

関連リンク
本検証要旨 原爆被爆者疫学調査とチェルノブイリ~福島
低線量内部被曝の危険を人々から覆い隠すICRP学説の起源
同解説チラシ
検証1~8 要旨へ
2015.03.10 Tue l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top
100ミリシーベルト安全説はどこから来たのか
様々な放射線関係研究機関、国際機関から広報されている情報を概観する。
検証2検証3において、100ミリシーベルト安全説ピンク太字下線 は放影研の最新の研究論文の結果と逆で、100 mSvより低い線量でがんリスクが有意に増加していることを示す。

政府は福島原発事故で年間20ミリシーベルト以下の地域に住民を帰還させようとしている。外部被曝のみで、5年間で最大100ミリシーベルトになる。
妊婦、子どもを含めた家族が、原子力作業者の線量限度 100 mSv / 5年の中は帰還させることは人道に反することではないだろうか?
原子力規制委員会は、
100 ミリシーベルト以下では健康リスクの明らかな増加を証明することは難しいと
国際的に認識されている

と帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方を了承して、政府を後押しする。
5ミリシーベルト以上は放射線管理区域18歳未満就労禁止
原子力作業者の線量限度 100 mSv / 5年 50mSv/年 (女子5mSv/3月)
20ミリシーベルト福島帰還基準、1ミリシーベルト一般公衆被曝限度・・
等の根拠となっている疫学研究とは何だろう。 

放射線影響研究所の原爆被曝者疫学調査である。
 放射線影響研究所(放影研)は、日米両国政府が共同で管理運営する公益法人として1975年4月1日に発足。前身は1947年に米国原子力委員会の資金によって米国学士院(NAS)が設立した原爆傷害調査委員会(ABCC)。
放射線影響研究所は、広島・長崎の原爆被爆者を 60 年以上にわたり調査してきた。その研究成果は、国連原子放射線影響科学委員会(UNSCEAR)の放射線リスク評価や国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護基準に関する勧告の主要な科学的根拠とされている。 厚労省が原爆症認定基準の基礎にしているのも、原爆放射線被ばくによって、がんなどが一般人と比べ被爆者にどれだけ多く発症したかを調べた放影研の疫学調査である。
その研究をもとに、放射線関係機関からどのような情報発信がされているかを見る。

1.放影研における原爆被爆者の疫学調査で明らかになったこと から見る。
放射線の長期的な健康影響
 30 歳で 1,000 ミリシーベルト(mSv)の放射線に被曝した場合、70 歳でがん(白血病以外)により死亡する頻度が約 1.5 倍に増加する。
がん死亡のリスクは 100-200 mSv 以上では放射線の被曝線量に正比例
それ以下ではどういう関係になっているかは分かっていない。
もしがんのリスクは被曝線量に比例的で、「しきい値」(それ以上の被曝で影響があり、それ以下で影響がない境目の被曝線量)がないと考えるならば、100 ミリシーベルトでは約 1.05 倍、10 ミリシーベルトでは約 1.005 倍と予想されます。
図1.がんリスクと放射線量の関係
放影研がんリスクと放射線量
直線でのみ示されたこのグラフがどのような疫学調査から導かれたのかを検証する。

2.放射線医学総合研究所(放医研)が一般向けの「放射線被ばくの早見図」を改訂している。
図2.改訂版「放射線被ばくの早見図」
放射線被曝早見図
2014.7.24朝日新聞
放射線被曝の早見図について によると
2011年4月 100ミリシーベルト以下の被曝では「がんの過剰発生がみられない」⇒
2013年5月 100ミリシーベルト超では「がん死亡のリスクが線量とともに増える」 に変更
 変更理由 国際放射線防護委員会( ICRP )の2007年勧告に従う
100 mSvより低い線量では、がん死亡リスクの増加が統計学的に検出されない
という趣旨であったが「がんが過剰発生しないことが科学的に証明されている」と誤解されることを避けるため

事実『100ミリシーベルトまでは安全』というPRは随分なされたが
『(100ミリ以下で)がんが過剰発生しないと科学的には証明されていない』
ことを公式に認め、改めたというべきか。

3.公益財団法人 放射線影響協会(放影協)
 放射線の影響がわかる本第5章 放射線とがんの関係  から
図3. 放射線とがんの関係 - 放射線影響協会 より
放射線とがんの関係
放影研の原爆被ばく者の健康影響を調査の結果からわかったことは
☆100mSv を超える被ばく線量では被ばく量とがん発生率との間に比例性がある。
100mSv 以下の被ばく線量では、がんリスクが見込まれるものの、統計的な不確かさが大きく、
疫学的手法によってがん等の確率的影響のリスクを直接明らかにすることはできない
2015.03.09 Mon l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top
放影研の原爆被曝者調査検証 2
”低線量被曝 0~100ミリシーベルトではがん死亡と被曝線量とのとの関係は不明”
とよく言われ、これが100ミリシーベルト安全説の根拠となっている。

放影研の疫学調査の検証から、
初期放射能被曝の5~100ミリシーベルト領域で
過剰がん発生・死亡リスクが見られる

ことを示す。

放影研における原爆被爆者の疫学調査で明らかになった とされることは
☆ がんによる死亡リスクは100~200ミリシーベルト以上では被曝線量に比例
 低線量被曝 0~100ミリシーベルトでは被曝線量とのとの関係は不明
を検証する。

図1 がん死亡リスクと被曝放射線量との関係(放影研・原爆被爆者調査結果より
放影研がん死亡リスク

それ以上で影響があり、それ以下で影響がないといった境目の被曝線量が
「しきい値」といわれる。(例 ☆2の100ミリシーベルト

疫学調査で被曝によって、がん発生やがん死などの健康影響があると判断されるのは
☆がん発生・死亡リスクが被曝線量に比例する
☆「しきい値」 があるかどうかがポイント
  「しきい値」なし ⇒ 低線量で被爆影響がある
ことが証明されたことになる。

図2 疫学調査論文から放射線の健康影響を読み解くポイント
疫学調査基準

では、図1.の元データはどこに?と調べると意外に見つからない。元データの示されたA.B.から初期被ばく線量とがん死リスク、発がんリスクとの関係、低線量被曝の影響を検証する。

A.がん死リスクについて 低線量被曝問題はなぜ混乱が続くのかより  
 放影研の頑張く被爆者疫学研究では、データはいろいろな方法で解析されているが基本的に同様の結果を示している。低線量被曝によるがん死の増加について調べた例を、原論文Cancer risks attributable to low doses of ionizing radiation から転載する。

図3 原爆被爆者過剰相対がん死リスク
過剰がん死リスク
 平均被ばく線量 100mSv 以下の全てのグループでがん死リスクは増加している。
平均被曝線量100mSv以下の34~86mSv の4グループの
過剰相対がん死リスクは「統計的に有意に」非被爆者より大きい。

放影研疫学調査の原論文 の結論
100ミリシーベルト以下の線量域に統計的に有意ながん死リスクの増加がある
一般向け資料、放影研疫学調査で明らかになったこと において 
低線量被曝 0~100ミリシーベルトでは被曝線量とのとの関係は不明
と改ざんされている。放影研が放射線被曝の研究結果を無視し、100ミリシーベルト安全説を広めている。

B.発がんリスクについて よく分かる原子力 放射線の健康影響より 
放射線影響研究所では、爆心地から2.5km以内で被爆した86,572人の生存者[筆者注*および非被曝者として、爆心地から2.5~10kmで被爆した人37458人]について、放射線影響調査を行っています。その結果が被爆者の生涯調査報告書として1962 年から発表され2003年10月には第13報が出されました。この報告を読みますと47年間に及ぶ 調査の結果、がんだけでなく心疾患、脳溢血、消化器疾患、呼吸器疾患が、被爆により増加することが明らかになりました。そして、図4.に示すように、次の2点が判明しました。
☆1.被爆線量とがんの発生率には直線関係が成り立つ
☆2.ある線量以下ならば被爆しても安全という「しきい値」の存在は証明出来ない


図4. 被ばく線量と発がんリスクの関係
Donald A. Pierce、Dale L. Preston 原爆被爆者における低線量放射線のがんリスク 
RERF,Vol.12,2001
 P.16~17 の結論は
0–100 mSvの線量域に限って見た場合でも統計的に有意なリスクの直接的証拠がある。 
原爆被爆者過剰発がんリスク

A.がん死リスク B.発がんリスク のいずれの疫学調査において
100ミリシーベルト以下の被曝で過剰がん死・がん発生がみられる
ことが報告されているにも関わらず
一般向け資料、放影研疫学調査で明らかになったこと において 
低線量被曝 0~100ミリシーベルトでは被曝線量とのとの関係は不明
と国民に偽りの情報が発信されている。
被曝の影響を可能な限り低く見積りたいという日・米両国の意志なのか?

放影研の原爆被曝者調査検証1 放射線被曝早見図で
100ミリシーベルト以下の被曝では「がんの過剰発生がみられない」⇒
100ミリシーベルト超では「がん死亡のリスクが線量とともに増える」と改訂されたが
100ミリシーベルト以下の被曝でも「がんの過剰発生が見られる」 
と改めるべき。
2015.03.08 Sun l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top
放影研の原爆被曝者調査検証 3
初期放射能被曝の5~100ミリシーベルト領域で
過剰がん発生・死亡リスクが見られる-2


放射線影響研究所は、「平和目的のために、
原爆放射線の健康影響について調査する日米共同研究機関」 と書かれている。
放影研・原爆被爆者における固形がんリスク の内容を、根拠となる論文内容と比較し、
放影研における原爆被爆者の疫学調査で明らかになったこと において
 低線量被曝 0~100ミリシーベルトでは被曝線量とのとの関係は不明
原爆被爆者疫学調査・原論文の結論を改ざんしたものであることを明らかにする。

この間違った放影研見解を根拠に、さまざまな専門機関から同じ情報が一般に出されている。
放医研「被曝早見図」
100 mSvより低い線量では、がん死亡のリスクの増加が統計学的に検出されない
放影協
100mSv 以下の被ばく線量では、がんリスクが見込まれるものの、統計的な不確かさが大きく、
疫学的手法によってがん等の確率的影響のリスクを直接明らかにすることはできない

原子力規制委員会
100 ミリシーベルト以下では健康リスクの明らかな増加を証明することは難しいと
国際的に認識されている

などなど・・・

放射線影響研究所は、広島・長崎の被爆者約9万4000人と、広島・長崎在住だが原爆爆発時に市内にいなかった約2万7000人計約12万人を現在も継続して調査している。
最新の「寿命調査(LSS)14報」 から被爆によるがん死亡リスクを見る。
A.原爆被爆者の放射線被曝によるがん死亡リスク
「寿命調査(LSS)14報」では、下のグラフのように、
線量に比例してがん死亡率が増加すること、
被ばくしてもがん死亡率が増えない「しきい値」はゼロであり、「しきい値」はない
ことが明らかになっている。即ち
  ⇒低線量でもがん死亡への被爆影響があることが証明されているのである。

図1.被曝による固形がん死亡の過剰相対リスク
K. Ozasa et al. RADIATION RESEARCH 177, 229–243 (2012)
固形がん過剰相対リスク

このような結果が出ているにも関わらず、放影研は論文要旨を捏造・改ざんして
100ミリシーベルト安全説を擁護している。
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著者による論文要旨の日本語訳
全固形がんの過剰相対リスクが有意となる最小推定線量範囲は 0–200ミリシーベルトであり、しきい値は示されず、ゼロが最良のしきい値であった。
放影研による論文要旨
総固形がん 死亡の過剰相対リスクは被曝放射線量に対して直線の線量反応関係を示し、その最も適 合するモデル直線のしきい値はゼロであるが、リスクが有意となる線量域は 200ミリシーベルト以上で あった???
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「寿命調査14報」の2つの日本語要約。どちらも放影研のHPに掲載されている。

さらに、東日本大震災への対応についてわかりやすい放射線と健康の科学 では
放影研100ミリ分かりやすい
と研究結果を改ざん・捏造、喫煙まで動員して、100~200ミリシーベルト安全説を広報している。
100ミリシーベルト安全説は、原発維持のために絶対守らねばならない一線なのだろうか。


B.原爆被爆者の放射線被曝による固形がん発生リスク
原爆被爆者調査を行った放影研HP原爆被爆者における固形がんリスク に、1958年から1998年の寿命調査(LSS)集団の固形がん発生リスクが記載されている。
図2.原爆被爆者過剰相対固形がんリスク 原論文3)
原爆被爆者過剰相対固形がんリスク
過剰相対リスクは初期被爆線量に比例しているようであり、被ばくしてもがん発症率が増えない「しきい線量」は観察されていない。
即ち、低線量で発ガンリスクが増えることが証明されているのである。

放影研は、原爆被爆者疫学調査の最新の研究結果
0~200ミリシーベルトにおいても線量に比例して増える、しきい値なし
の結論を改ざんし、放影研における原爆被爆者の疫学調査で明らかになったことにおいて
低線量被曝 0~100ミリシーベルトでは被曝線量とのとの関係は不明

という情報発信をしている。
放影研は原子力利用のために、(=原発維持のためには)
放射線の健康影響があってもないと発表する
組織なのである。

放影研・原爆被爆者疫学調査の 最新3論文と放影研発表の詳しい比較
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放影研調査比較

原爆被爆者疫学調査の結果を否定し、
被曝影響を少なく見せかける広報がされ、
国際機関がお墨付きを与え、
住民の健康を犠牲にする政策が進められていく。


原論文、参考リンク
1)K.Ozasa et al. Studies of the Mortality of Atomic Bomb Survivors, Report 14, 1950–2003:Radiation Research 177, 229–243 (2012)
2)D. L. Preston1a et al.Studies of Mortality of Atomic Bomb Survivors. Report 13: 1950–1997 Radiation Research 160, 381-407,2003
3)Preston DL, Ron E, et al.: Solid cancer incidence in atomic bomb survivors: 1958-1998. Radiation Research 2007; 168:1-64
4)原子力規制委員会はICRP勧告111を改ざんして 「帰還基準20ミリシーベルト」を打ち出した!
5)低線量放射線の影響について
6)放射線影響研究所・要覧
7)放射線による発がんリスク
2015.03.07 Sat l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top
放影研の原爆被曝者調査検証 4
被爆者のがん死亡、がん発生確率は、被爆時年齢が低いほど高いことが分かっている。
どの程度高いのかは、福島原発事故による住民の帰還基準を考える上で最重要。

1.放影研最新の「寿命調査(LSS)14報」原論文 より
図1.放影研がん死リスク年齢別
被爆時年齢 50,40,30,20,10歳の20年後のがん死過剰相対リスクは
0.23:0.37:0.58:0.93:1.65≒1 : 1.6 : 2.4 : 4.0 : 7.2 
10歳若くなるごとに60%リスクが高まる
10歳で被爆したものは50歳被爆の者の約~7倍のがん死亡リスク を示す。

2.放射線影響研究所・原爆被爆者における固形がんリスク より
図2.がん発生の被爆時年齢別リスク
放影研がん発生リスク年齢別
被爆時年齢 50,30,10歳の20年後のがん発生過剰相対リスクは
0.5 : 0.9 : 2.7 ≒1 : 1.8 : 5.4  
10歳若くなるごとにおよそ50%リスクが高まっている。
10歳で被爆した者は50歳被爆の者の約~5倍のがん発生リスク を示す。

3.放影研 わかりやすい放射線と健康の科学 より
放影研LSS集団における放射線年齢別リスク
被爆時年齢 50,10歳のがんの生涯過剰放射線リスクは
男性 0.3% : 2.1% = 1 : 7
女性 0.4% : 2.2% = 1 : 5.5
10歳で被爆した者は50歳被爆の者の約~6倍のがん発生リスク を示す。

「帰還基準20ミリシーベルト」 を打ち出した原子力規制委員会 で
政府は福島原発事故で年間20ミリシーベルト以下の地域に住民を帰還させようとしている。
妊婦、子どもを含めた家族が、原子力作業者の線量限度 100 mSv / 5年の中で暮らすことが可能なのか。子ども、乳幼児の健康に過大な悪影響を及ぼすことが懸念される。
2015.03.06 Fri l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top
放影研の原爆被曝者調査検証関連 5
政府は福島原発事故で年間20ミリシーベルト以下の地域に住民を帰還させようとしている。外部被曝のみで、5年間で最大100ミリシーベルトになる。
妊婦、子どもを含めた家族が、原子力作業者の線量限度 100 mSv / 5年の中で暮らすことを強要している国

2013年11月20日、原子力規制委員会は、帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方(案)を了承した。
1.100 ミリシーベルト以下では健康リスクの明らかな増加を証明することは難しいと国際的に認識されている
 100ミリシーベルト以下で がん死亡率が増えている 2 で、
 放影研疫学研究の結果を改ざんした嘘であることを示した。

2.事故後は公衆の線量限度・年間1ミリシーベルトを適用しない。
  福島原発事故のように、事故が続く限り、汚染地区で暮らしなさい ということ!!

3.原発事故後の収束過程では長期的な目標として 1~20 ミリシーベルトの下方部分から選択すべきとされており、20 ミリシーベルト未満は必須である。

4.空間線量でなく、個人線量を重視する。
 線量計は県が管理し、個人には読めない。

この方針に従って、避難住民の帰還が危険・不安の中で強行されようとしている。

低線量内部被曝の危険を人々から覆い隠すICRP学説の起源
原子力規制委員会は ICRP 勧告を改ざんして「帰還基準20ミリシーベルト」を打ち出した!
2015.03.05 Thu l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top
放影研の原爆被曝者調査検証6 原爆投下後の状況
100ミリシーベルト以下で がん死亡率が増えている1 と   で、
初期放射能被曝の100ミリシーベルト以下で、がんリスクが被ばく線量に比例して有意に増えることが判明
「100ミリシーベルト以下ではがんリスクと被曝線量とのとの関係は不明」≒100ミリシーベルト安全説 は論文の結論を改ざんしたものであった。この改ざんで被曝安全説が維持され、国際機関のお墨付きで、福島原発事故被曝住民の20ミリシーベルト以下は帰還政策が進められている。

しかしここでは、放射線影響研究所の疫学調査を別の観点から検証する。
 「厚労省が原爆症認定基準の基礎にしているのは、放射線被ばくによって、がんなどが一般人と比べ被爆者にどれだけ多く発症したかを調べた放射線影響研究所の疫学調査である」と書かれている。放射線の健康影響を調べるためには、被曝の影響を受けない一般人”非被曝者”グループが必要。選ばれた”非被曝者”は被曝していない一般人であったのか?

放影研原爆被曝者調査検証8で詳述するが、疫学調査の一般人は
”非被曝者” = ”爆心地から 2.5~10kmで被爆した人”
”被爆者”= ”爆心地から 1~2.5kmで被爆した人” と比較されていた。
(爆心地から1km以内ではほぼ全員が死亡)

広島市への原子爆弾投下の米軍による地図、資料によると、原爆の破壊力は凄まじく、爆心地の周囲2kmはほぼ全焼(赤)、建物の全半壊地域は海岸までおよぶ。
広島原爆地図

原爆投下によって全焼し、爆風で破壊された場所で被爆した人たちが”非被曝者”
爆心地から3.5km以内(被曝線量≒1ミリシーベルト)で悪性腫瘍、白血病などが原爆症として積極的に認定されている。非被爆者が、原爆の放射能に起因するがんで原爆症認定を受けている。

厚生労働省・原爆放射線について によると
広島原爆放射線量
原爆投下によって焼け、爆風で破壊された場所で被爆した人が
”胸のCTスキャン1回分の被曝”

原爆被爆者調査の被爆量はあまりに少なく見積もられているように見える。
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放影研の建前は「有意な」放射線量とは によると
がんリスクに関する考察では、0.005 Gy(≒5 mSv)以上の放射線に被曝した人に焦点を置いています。
5mSv以下の低線量被爆者では、がんやその他の疾患の過剰リスクは認められていません。
5mSv以上の放射線被曝は、広島では 爆心地 から約2.5km以内、長崎では約2.7km以内に相当します。
放影研が調査している集団は? には
このうち約5万4千人が 爆心地 から2.5 km以内で 有意な放射線量 に被曝しています。
残りの4万人は2.5 kmよりも遠方で(2.5~10km)の被爆のため、被曝線量は極めて低いと考えられています。
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検証7 検証8 で放影研調査の被爆者・非被爆者の被曝線量を見る。
2015.03.04 Wed l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top
放影研の原爆被曝者調査検証7 被爆者の被爆線量
放射線の健康影響の土台になっているのは、放射線影響研究所が、被爆者約12万人を対象とした放影研原爆被爆者調査(Life Span Study, LSS)
この調査の被ばく線量算定によると
年間20ミリシーベルト帰還基準は爆心地から2.4kmで被爆に相当
100ミリシーベルト安全説は
爆心地から 1.9kmで被爆は安全
に相当


爆心地から3.5km以内(被曝線量≒1ミリシーベルト)で
厚労省は「原爆症」の認定をしている。 安全なはずがない。

原爆被曝者調査検証8 で詳述するが、原爆被爆者における固形がんリスクに記載された原論文
から、放影研の原爆被曝者調査の被爆者・非被曝者とは
被爆者  約5万人 爆心地から 2.5内で被爆した人
非被曝者 約4万人 爆心地から 2.5~10kmで被爆した人

被爆者の被曝影響を比較された”非被爆者”の被曝線量を見積もる必要がある。

1.初期放射線による被曝線量
厚生労働省・原爆放射線について による
図1.広島原爆の放射線量(初期放射線のみで残留放射線を含まない)

広島放射線量2
爆心地の周囲2kmはほぼ全焼し、爆風による建物の全半壊地域は3.5kmを考えると、2.65kmが胸のCTスキャン1回分の被爆??という結果には唖然とする。表1.より
年間20ミリシーベルト帰還基準は爆心地から2.4kmで被爆に相当
100ミリシーベルト安全説は
爆心地から 1.9kmで被爆は安全
に相当

放影研の被爆者・非被爆者の定義、福島の帰還基準年間20ミリシーベルト、100ミリシーベルト安全説の100ミリシーベルト相当の被爆距離を示した。
余りに低い被ばく線量は、放影研の残留放射線に関する以下の見解によると思われる。
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放射線影響研究所の「残留放射線」に関する放影研の見解によると、原爆の放射線被曝線量については、「残留放射線」の関与は「初期放射線(直接放射線)」の被曝線量推定値の誤差範囲内にあるとして、放影研被爆者疫学調査では初期放射線のみが考慮されている。
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図2.放影研(放射能影響研究所)の資料による原爆の初期放射線による被曝放射線量
爆心地からの距離と空中線量との関係 右側には一般的な生物学的症状、
およびその他の放射線源による被曝量を示す。
原爆初期放射線量
**シーベルトとグレイ Sv = 修正係数 × Gy  シーベルト(Sv)≒グレイ(Gr)
物質が放射線に照射されたとき、その物質の吸収線量を示す単位がグレイ(Gy)である。生体が受けた放射線の影響は、受けた放射線の種類と対象組織によって異なるため、吸収線量値(グレイ)に、放射線の種類ないし対象組織ごとに定められた修正係数を乗じて線量当量(シーベルト)を算出する。

表1.爆心地からの距離と被ばく線量の関係 原爆症認定審査方針より
クリックすると拡大されます
原爆症認定審査距離放射線量2

2.放射性降下物による被曝
「黒い雨、私も浴びた」 広島の援護区域外36人認定申請 2015年3月25日 朝日新聞
からも分かるように、初期放射能以外に残留放射能を考える必要がある。
黒い雨地図

放影研被爆者調査における被爆者(爆心地から2.5km以内)、非被爆者(2.5km~10km)を示した。
被曝の影響を比較した”非被爆者”の被曝はどの程度か。

原爆症認定に関する検討会 残留放射線と内部被曝 に詳しい解説がある。
1.初期放射線の推定線量が実測値と符合しているのは約1.5kmまで。それ以遠は過小評価になっている。
2.遠距離・入市被爆者に急性症状が系統的に発症していることが多数の調査で明らかである。2002年線量推定方式DS02では説明できず、残留放射線による被曝影響を考えざるをえない。
3.被爆者の放射線影響は急性症状発症率の調査、染色体異常などの被爆実態を出発点として行うべき。

原水協 原爆被害の隠ぺい  から、被爆放射線量を推定する
図4.広島原爆の被曝放射線量推定
広島原爆被曝線量推定
黒線:原爆投下の瞬間に受ける初期放射線(図2と同じ) 
グレイゾーン:急性症状発症率から推定した放射性降下物の影響
 爆心地近くでは、残留放射能の影響がでる前に亡くなって、見かけ上影響が小さくなるのか
:初期放射線+放射性降下物による影響 であり
図2.の初期放射線量と図4.の放射性降下物のグレイゾーン下限値を足し合わせたもの

2.5km(初期放射能≒5mSv)を境に分けられた被爆者と非被爆者の被曝線量を比較する
被爆者・非被爆者被曝量1
初期放射能 5~100mSv の被爆者の残留放射能を含めた全被曝線量は600~750mSv
初期放射能 ≦5mSv の被爆者の残留放射能を含めた全被曝線量は ≦600mSv

2.5km以内の被爆者を残留放射能によって初期放射能以上の被爆を受けていた”非被曝者”と比べれば被爆によるがんの過剰リスクは見かけ上大幅に減じる。
放射線被曝の影響は、当然見えにくくなってしまう。
放影研の原爆被爆者疫学研究の根拠がなくなる
ICRP、IAEA等の放射線防護基準も


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原水協 原爆被害の隠ぺい(3)より要約転載 --------
遠距離被爆者に対する影響 
 被曝の線量評価と、これを基礎にして行われた放影研の疫学調査には大きな欠陥がある。
 広島原爆被爆者の脱毛、皮下出血など、急性放射線症状が発症した割合の調査結果から、放射線被曝の影響を推定した。図の、爆心地から1??~2.5kmにかけて急速に減少している黒線は、原爆投下の瞬間に受ける初期放射線量(図2より)。初期放射線は爆心地からの距離とともに急速に減少するので、~2.5kmから数kmにわたって急性放射線症状が発症していることを初期放射線だけでは説明できない。
 そこで急性症状の発症率の初期放射線による部分を差し引き、放射性降下物による部分を推定すると、図の爆心地から1・5~3kmにかけてピークになったグレーゾーンとなる。
爆心地から1・5km以遠では初期放射線を上回る影響を
放射性降下物によって受けている
 ことがわかります。

放影研の疫学調査の過ち
 放影研の疫学研究では、放射線をあびた被爆者グループ非被爆者グループに比べて、どれだけ多くガンによって死亡したかを統計学的に求めている。
 この疫学研究では、初期放射線量に基づいて中性子の影響をガンマ線の10倍として合算したシーベルトという線量当量を用いているが、10ミリシーベルトあるいは5ミシーベルト以下と評価された被爆者を非被爆者と見なしている(広島の爆心地から2・5km以遠に相当)。2.5kmでは図に示したように、放射性降下物によって平均≒600~700mSvの被曝を受けており、初期放射線量の60倍~160倍の被曝の影響を受けている。
放射性降下物で被曝している人を非被爆者と見なすのは
疫学研究の致命的な過ちです。

この大きな過ちが、被爆者が原爆放射線による後障害に苦しんできた実態と審査会の基準が大きくかけ離れる原因です。 --------

原爆放射能影響推定
2015.03.04 Wed l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top
放影研の原爆被曝者調査検証 8
検証7で原爆被爆者(爆心地から2.5km以内で被曝した人)の被曝影響を比較された”非被爆者(2.5k~10kmで被曝)”の被曝線量を見積もり、放影研の原爆被曝者調査は、被爆者と被爆者を比較するという致命的欠陥を持つことを示したが、ここでは、放影研の原爆被曝者調査における”被爆者” ”非被爆者” の実態を見る。

原爆被爆者における固形がんリスクに記載された原論文
Studies of the Mortality of Atomic Bomb Survivors, Report 14, 1950–2003
Studies of Mortality of Atomic Bomb Survivors. : 1950–1997
Solid cancer incidence in atomic bomb survivors: 1958-1998
から、放影研の原爆被曝者調査の非被曝者とは
1950ー2003年調査 非被曝者 38509人 爆心地から 2.5~10kmで被爆した人
1950ー1997年調査 非被曝者 37458人 爆心地から 2.5~10kmで被爆した人
1950-1998年調査 非被曝者60792人内訳 
  約4万人が爆心地から 3~10kmで被爆した人
  約2万人は原爆投下時広島長崎市内にいなかった同市在住者
であることを示す。

放射線の健康影響の土台になっているのは、広島・長崎の被爆者の追跡調査だ。放射線影響研究所が、被爆者約9万4000人と、広島・長崎在住だが原爆爆発時に市内にいなかった約2万7000人計約12万人を現在も継続して調査している。
放影研原爆被爆者寿命調査(Life Span Study, LSS)で調査されたのは
被曝の影響を受けたと思われるこれらの人々だけであることに注意すべき。

以下原論文により、低線量被曝のリスクが比較された”非被爆者”の実態を見る。
A.原爆被爆者の放射線被曝によるがん死亡リスク
表1.固形がん死亡の観察数と期待数(原爆被爆者1950-1997) (1Gy≒1Sv)
低線量放射線の影響について
原爆被爆者固形がん死亡の観察数と期待数 
原論文 D. L. Preston1a et al.Studies of Mortality of Atomic Bomb Survivors. Report 13: 1950–1997 Radiation Research 160, 381-407,2003 

緑枠 ”爆心地から2.5~10kmで被爆した被爆者”の初期被曝5ミリシーベルト以下
=”非被爆者”とみなして 3833人の死亡は放射能の影響でない 
⇒ 被曝による過剰死亡数=0

2.5km以内の被爆者のがん死亡率から
2.5km以遠の被爆者のがん死亡率を差し引いて
被爆によるがん死亡の過剰相対リスクとされていた。

そのことにより、がん死の過剰相対リスクが大幅に少なく見積もられたと考えられる。

B.原爆被爆者の放射線被曝による固形がん発生リスク
原爆被爆者調査を行った放影研HP原爆被爆者における固形がんリスク に、1958年から1998年の寿命調査(LSS)集団の固形がん発生リスクが記載されている。ここには非被爆者の情報がないので、原論文、 放射線による発がんリスクP.9 から非被曝者の情報と過剰相対リスクの値を加えた。
表2. 固形がん発生リスク、爆心地からの距離と初期被ばく線量
固型がん発生リスク
”爆心地から2.5~10kmで被爆した被爆者” = ”非被爆者”とみなして
9757人のがん発症は放射能の影響でない ⇒ 被曝による過剰がん発症数=0

として、それ以上の被爆者のがん発症率から差し引いて過剰相対リスクが計算されている。
がんの過剰相対リスクが大幅に少なく見積もられたことになる。

放影研の原爆被曝者調査検証2非被曝者は被爆していた で残留放射能の影響を推計
表3. 被曝者(初期放射線 5~100mSv)と非被爆者の被曝線量比較
被爆者・非被爆者被曝量

初期放射能 5~100mSv の被爆者の残留放射能を含めた全被曝線量は600~750mSv
初期放射能 ≦5mSv の非被爆者=被爆者の残留放射能を含めた全被曝線量は ≦600mSv

残留放射能を考慮せず、被爆者と非被爆者と比較することで
100ミリシーベルト安全説が可能となったのかもしれない。 


参考文献・リンク
1)Kotaro Ozasa er al. Studies of the Mortality of Atomic Bomb Survivors, Report 14, 1950–2003
2)D. L. Preston1a et al.Studies of Mortality of Atomic Bomb Survivors. Report 13: 1950–1997 Radiation Research 160, 381-407,2003 
3)Preston DL, Ron E, et al.: Solid cancer incidence in atomic bomb survivors: 1958-1998. Radiation Research 2007; 168:1-64
4)放射線による発がんリスク
5)放射線影響研究所・要覧
2015.03.03 Tue l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top