年間線量100ミリシーベルトまで、癌の過剰発生が認められないに基づいて東日本大震災・放射線の影響についての情報発信を行い、科学者が科学的根拠の検証をすることなく、漠然とリスクがあるから避難の提案をすることは研究者の役割放棄であるとして”安易な「福島原発周辺地域における、児童避難準備の提案”に反対した”NPO法人あいんしゅたいん”

NPO法人あいんしゅたいん”が福島原発事故以後行った、東日本大震災・放射線の影響の情報発信に疑問を持ち、質問状改訂版(質問状1とする)と質問状2を送り、回答をお願いした。
質問状1については理事長坂東昌子氏から回答(未完成)をもらったが、質問状2については回答がなかった。

情報発信の内容、質問に対する回答(未完成)と回答のなかったことを踏まえ、このやり取りから学んだ問題点をまとめる。

質問状1
1.ウクライナ政府は、年間被ばく線量が5ミリシーベルト以下とされる汚染地帯に住む236万人のデータベースをもとに汚染地帯の住民に深刻な健康被害が生じていることを報告書で明らかにしているが、この報告書をどのように考えるか?

この質問に対して未完成の回答があり、NPO法人”あいんしゅたいん”の回答への解答1 で議論した。
「チェルブイリ報告について、確かに、綿密には読んでいないですが、(まあ、大雑把に読んでナンセンスと判断したのは事実ですが)」とあることから
ウクライナ報告をナンセンスと評価し、健康被害の存在すら信頼できないということであろう。
「チェルノブイリの線量評価は曖昧で、統計的にはシビアな考察はされていない。ICRPなど、科学者が、こんな論文に付き合ってなんかいられない、せめてレフリーのある雑誌に投稿して、価格のまな板に載せたものでないと、反論する価値もない。」
「子供が不健康の基準というのが全くよく解らない、虫歯も不健康のカウントに入っているとしたら、ある程度うなずけますが。」

上記の論点は重要なポイントを含んでいる。「きちっとした疫学に基づいて検証された統計が必須であり、統計がしっかりしていなければレフリーのある雑誌には通らないし、価値がない。ICRPなど、科学者が、反論する価値がない。」

これはUNSCEAR国連科学委員会,ICRP国際放射線防護委員会,IAEA国際原子力機関などの考え方であろう。

ではこの基準で行けば、福島原発事故被曝の影響はどうなるのか。
個人の被曝線量はほとんど正確に測られていない、知らされていない。
100ミリシーベルト以上の甲状腺被曝(ひばく)をした作業員が、推計も含め2千人いた、昨年12月の公表人数より10倍以上増えた、という状況である。
健康調査も福島の子どもの甲状腺検査が系統的に行われ発表されているのみである。

公的な健康診断が行われず、被曝量を曖昧なまま放置すれば、福島では被曝の被害は、疫学的には認められなかったという筋書きができるのではないだろうか。被曝による健康被害があった、なかった、にかかわらず・・・

福島では風評被害のみで、放射能被曝による健康被害は、
疫学的に認められなかった=健康被害はなかった。


ということになるのではないか?これは電力業界からの多額の寄付金を受ける自民党、政府、経産省、東電・電力業界、産官学マスメディアが構成する原子力村の筋書きと通り!!
新原子力神話の始まり!!

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NPO法人”あいんしゅたいん”の回答への解答1
NPO法人”あいんしゅたいん”への質問状2 年間100mSvはOK?
NPO法人”あいんしゅたいん”への質問状に対する回答
NPO法人”あいんしゅたいん”への質問状 改訂版
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質問2.3.4.への回答はなかった。
2.低容量の放射線(200ミリシーベルト以下)の影響について、「晩発性障害は必ず克服できる」と主張しているが、必ず克服できると主張される科学的根拠を示してほしい。

3.「何よりも危険なのはパニックで、不安はストレスとなり、発ガンのリスクを増大させる。考えようによっては、低容量の放射線以上の悪影響を身体に及ぼす」という主張の疫学的根拠を示してほしい。

4.「晩発性障害は必ず克服できる」は癌の自己責任論。放射線被曝によって健康障害が生じたとき、因果関係を認めないことを支持する働きをする。このことを人道上どう考えるのか?

2.3.に対する科学的根拠、疫学的根拠はないということであろう。
4.については回答がないことが回答であろうか。

5.福島原発事故の被災者が、チェルノブイリの強制移住基準値の4倍、年間20mSv(ミリシーベル)との放射線に晒されながら、その影響を克服する方法とは何か?その方法で克服できるという科学的根拠を示してほしい。

6.国連人権理事会特別報告者アナンド・グローバー氏は、「日本政府は、避難区域の指定に年間20mSv という基準値を使用したがこれは問題、チェルノブイリ事故の際、強制移住の基準値は、年間5mSv であった。」と勧告しているが、これをどう評価するか?

この質問をした時点で"あいんしゅたいん理事長坂東昌子ブログ 科学的なデータと資料に基づいて、一人一人が放射能汚染と放射線障害から身を守りましょう
において、年間線量100ミリシーベルトまで、癌の過剰発生が認められない と主張しておられ、これに基づいて情報発信を行っていることを知らなかった。今こんな主張をしている団体は日本ではないと思う、放射線被曝への感度の鈍さに言葉を失う。NPO法人”あいんしゅたいん”への質問状2 年間100mSvはOK? を見て欲しい。
年間100ミリシーベルト、5年で500ミリシーベルトでも安全と考えるならば、年5ミリシーベルトで強制移住のチェルノブイリに病気が存在するはずがなく、国連人権理事会勧告はナンセンスということであろう。

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詳しい経過については以下のとおり
①2013.2.12NPO法人知的人材ネットワーク”あいんしゅたいん”宛に質問状を送った。
NPO法人”あいんしゅたいん”への質問状 改訂版
質問状pdfファイルはここ 質問状.pdfファイル 
②これに対して
2013.3.23に理事長坂東氏から質問状に対する回答(未完成)をもらったので以下に解答を記載した。
NPO法人”あいんしゅたいん”への質問状に対する回答
③2013.6.13「年間線量100ミリシーベルトまで、癌の過剰発生が認められない」との情報発信について質問状を送った。NPO法人”あいんしゅたいん”への質問状2 年間100mSvはOK?
これに対する解答はなかった。
④理事長坂東昌子氏からの未完成の回答に対して検討した。
NPO法人”あいんしゅたいん”の回答への解答1
⑤2014.11.3現在も年間線量100ミリシーベルト [mSv] まで、がんの過剰発生が認められない の記事はそのままである。
2013.08.28 Wed l 原発と科学者の社会的責任 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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