東電幹部・菅元首相ら42人 原発事故 全員不起訴
東京新聞2013年9月10日

『東電幹部・菅元首相ら42人 原発事故 全員不起訴』42人というのは複数の訴訟を合計したもの。福島原発告訴団が訴えたのは33人で菅元首相などは入っていない。東電と菅元首相をセットにした検察発表は陰謀では。
福島原発告訴団が告訴したのは、東電経営陣と御用学者、管元首相ら政治家ではない。
現地視察で対応を遅らせたと菅元首相らを告発したのは誰か!事故時の菅元首相 の対応 はこちら。 誰が菅元首相を告発したのか。

 菅さんを告訴しているのは「被災地とともに復興を考える会」という極右関連団体。 代表者もわからないし、被災者なのかも不明です。菅首相ら6人を告発 住民団体、原発事故対応めぐり 
2011年7月14日朝日に記事

以下東京新聞より転載
 東京電力福島第一原発事故をめぐり、東京地検は九日、業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発された当時の東電幹部や政府関係者ら四十二人全員を「大津波を具体的に予測できたとは言えず、刑事責任を問うのは困難」として不起訴にした。 
 このうち、津波対策に過失があるとして告訴された三十二人中、勝俣恒久前会長(73)ら東電幹部十人と旧原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹元委員長(65)ら政府関係者十人を「嫌疑不十分」、残りを「嫌疑なし」などとした。
 また、事故直後の現地視察で対応を遅らせたとして告発された菅直人元首相(66)ら政治家三人は「嫌疑なし」。文科省幹部と放射線専門家の計七人も告発されていたが、「嫌疑不十分」だった。
 東電が二〇〇八年に十五メートルを超える津波を試算しながら対策を取らなかったのが過失に当たるかどうかが、最大の焦点だった。
 東京地検は「最も過酷な条件で設定した試算で、数値通りの津波の襲来を具体的に予測できたと認めるのは困難」と指摘。すぐに対策を始めても震災までに完了できず事故を防ぐことは難しかったと結論付けた。
 告訴・告発していたのは、福島県民ら約一万四千人でつくる福島原発告訴団など。今回の処分を不服として検察審査会に審査を申し立てる。

原発事故・告訴告発対象者

福島第一原発事故、全員不起訴 東電前会長・菅元首相ら42人
朝日朝刊(2013年09月10日)

 東京電力福島第一原発の事故をめぐり、検察当局は9日、業務上過失致死傷などの疑いで告訴・告発された東電幹部や政府関係者ら42人全員を不起訴処分にし、発表した。告訴・告発した被災者らは、この処分を不服とし、検察審査会に審査を申し立てる方針。▼39面=捜査尽くしたか
 福島県内の被災者ら計1万5千人や市民団体が、事故直後の避難途中に入院患者が死亡し、住民が被曝(ひばく)して傷害を負ったなどとして、東電の勝俣恒久前会長や菅直人元首相らを告訴・告発し、東京、福島両地検が捜査を進めてきた。

 その結果、東日本大震災と同規模の地震や津波は、発生以前に専門家らの間で「全く想定されていなかった」と指摘。東電の津波対策は不十分ではないと結論づけ、勝俣前会長らを嫌疑不十分とした。

 菅元首相らは原子炉格納容器の圧力を下げるベント(排気)の遅れで原発建屋の水素爆発を招いたと告発されたが、作業員の被曝を避ける準備に時間を要したためだとして「嫌疑なし」とされた。

原発捜査、尽くしたか 「なぜ誰も責任問われぬ」 東電前会長・菅元首相ら全員不起訴 朝日デジタルより転載

 発生直後の避難中に多くの入院患者らが亡くなり、今も15万人が避難生活を続ける東京電力福島第一原発の事故。検察当局は9日、その刑事責任を「誰にも問えない」と判断した。捜査は尽くされたのか。「なぜ」。仮設住宅で暮らす被災者は怒りを口にした。▼1面参照
 ■検察、津波予見困難と結論 告訴団「不起訴ありきだ」
 「強制捜査もせず、果たして捜査を尽くしたと言えるのか。起訴を目指した捜査ではなく、最初から不起訴のための捜査だった」
 9日夕、被災者ら約1万5千人でつくる福島原発告訴団は記者会見を開き、河合弘之・弁護団長は検察当局を批判した。
 その1時間後、東京地検の堺徹次席検事は会見で「捜査は遂げたと考えている」と語った。家宅捜索などの強制捜査をしなかった理由については「捜査の中身は控える」と明かさなかったが、別の検察関係者は「東電本店など関係先に検事らが任意で複数回立ち入り、資料やパソコンの記録などを直接確認し、提出を受けた」と強調した。
 検察は昨年8月に捜査を始めた。事故との因果関係について堺次席は、入院患者の死亡は「認めうる」とする一方、住民が被曝(ひばく)して傷害を負ったとされる点は「法解釈上も立証上も難しい」と説明した。
 事故原因をめぐっては、国会の事故調査委員会が「東電や規制当局は対策を意図的に先送りした。事故は人災だ」と指摘した。東電が2008年、政府機関の予測に基づき、同原発で予想される津波の高さを、最大で「15・7メートル」と試算していたことなどからだ。
 検察は東電幹部らへの聴取とともに、地震や津波の専門家からの聞き取りに重点を置いた。専門家数十人から聴取するなどした結果、マグニチュード(M)9・0だった東日本大震災の発生は「政府機関の予測よりエネルギーで11倍、震源域も数倍以上で、専門家らの想定を大きく超え」ており、「全く想定されていなかった」と結論づけた。
 また15・7メートルの試算についても検討した。根拠となった政府機関の予測自体が「専門家らの間で精度が高いものと認識されていたとは認めがたい」とした上で、「最も過酷な条件設定での最大値」「専門家の間で一般的に予測されていたとは言い難い」と主張。「(刑事責任を問うには)漠然とした危惧感や不安感では足りず、具体的な予見可能性が必要」と説いた。
 通常、予見可能性が認められなければ対策をとる義務も生じない。この点についても、「専門家らから直ちに対策を講じるべきだとの指摘はなかった」と東電の刑事責任を否定した。
 一方、告訴団は会見で、福島地検に告訴状を出したのに、この日、東京地検に移管されて不起訴処分が出た点に不信感をあらわにした。河合弁護士は「福島の検察審査会に審査を申し立てられなくなる。我々は福島県民にこそ、検察の処分のおかしさを判断してほしかった」と批判。「東京地検への移管は違法だ」として、福島の検察審査会に審査を申し立てる方針を示した。
 ■福島
 「被災者がせっかく上げた責任追及の声が、不起訴でたち消えるのはとても残念」。東電幹部ら全員の不起訴を知り、福島県須賀川市の農業樽川(たるかわ)和也さん(38)は憤った。
 「人の作ったものは必ず壊れる。原発など人間に制御できるのか」。以前からそう言っていた父の久志さん(当時64)は事故直後、国が県産野菜の一部に摂取制限の指示を出した翌日、収穫直前のキャベツを残して自ら命を絶った。
 会津若松市の仮設住宅に避難する蜂須賀礼子さん(61)は複雑な思いだ。
 「なぜ誰も責任を問われないんだと、声を大にして言いたい。でも(刑事責任を)裁判で問えば済む、ということでもない」
 福島第一原発が立地する大熊町で花屋を営み、町商工会長も務めた。
 事故後、被災者代表として参加した国会事故調査委員会で、参考人の勝俣恒久・東電会長(当時)のひとごとのような態度に「勝俣さんはどこの会長なんですか」と思わず口にした。
 「個人の責任を問うても会社の体質は変わらない。誰か一人でも『僕が責任者です』と言ってくれれば。それがないのが悲しい。悔しい」
 ■菅元首相「不起訴は当然の結果」
 今回の不起訴処分を受けて、東京電力は「改めて心からおわび申し上げる。今回の処分は検察の判断であり、コメントは控える」とした。また、菅直人元首相は「総理大臣として事故の拡大防止、住民の被害軽減のために陣頭指揮を執ってきた。不起訴は当然の結果と受け止めている」とする談話を発表した。
 ■「予見できたか」過去の事件でも
 過去の業務上過失事件でも「危険を予見できた」かの立証は容易でなかった。
 エイズウイルス混入の血液製剤が販売された薬害エイズ事件では、1996年に官僚や医師が業務上過失致死罪で起訴された。学説などから「危険の予見が可能」とされた時期より後の投与でも罪に問われた官僚は一部有罪に、その時期より前の投与で罪に問われた医師は、無罪とされた。
 2005年のJR宝塚線脱線事故では、事故前にJR西日本の鉄道本部長を務めた男性が「以前にあった事故などによって、現場カーブの危険を予見できた」として、業務上過失致死傷罪で起訴された。だが一審判決は無罪を言い渡し、検察側も控訴を断念した。
 ■追及し続けるべきだ
 《解説》検察当局の不起訴の判断は法的に「責任を問いにくい」ことを示しているにすぎない。国会の事故調査委員会は、「福島原発事故は人災だ」と指摘している。しかし、それを突き詰める作業はないまま時間だけが経ち、責任があいまいになっている。
 安倍晋三首相は五輪招致で「汚染水はコントロールされ、健康には問題ない」と言い切った。だが、現実は福島第一原発は本格的な廃炉作業に入れないどころか、汚染水漏れが相次いでいる。その混乱状態と検察の不起訴処分との間には納得しがたい溝がある。
 事故の責任は一義的には電力会社にある。しかし、国と電力業界が一体となって「国策民営」で原発を推進してきた。国の責任も大きい。
 原発推進に深くかかわったり、事故時に要職に就いていたりした政府要人、東電幹部のだれも、真に謝罪し、責任を取っていない。反省がないまま、原発の再稼働や輸出の声だけが大きくなっている。
 刑事裁判が開かれれば、個人の役割が検証されただろう。ただ、それがなくても社会として決着をつけなければならない。様々な立場の人たちで議論し、責任を問い、政策を変える。後の世代への責任だ。(竹内敬二)
 ■東電の家宅捜索、なぜしなかった
 ジャーナリストの田原総一朗氏の話 検察はなぜ東京電力などへの家宅捜索に踏み切らなかったのか。新証拠が出てくる可能性がある以上は実施し、すべてをそろえて判断すべきだった。捜査を尽くしたとは言い難い。事故は「原子力ムラ」全体が続けてきた政策の結果であり、刑事責任がまったくないとは考えられない。放射能汚染水は今も漏れ続けている。刑事責任は問われ続けるだろう。
 ■法人を処罰する新しい仕組みを
 元検事の高井康行弁護士の話 今回の事故は立証のハードルが高く、不起訴はやむを得ない。問題は個人の処罰を重視する今の刑法にある。明治時代にできたもので、過失犯の処罰は、個人が起こす極めて単純な事故を対象にしている。今回のような事故は再発防止を優先すべきで、個人の刑事責任を免責することで真実を引き出し、法人こそを処罰対象にする新たな仕組みが必要だろう。
 ■事故をめぐる検察と政府・国会事故調の判断
 【東電の津波対策はどの程度不十分だったか】
 <検察> 10メートルを上回る津波が襲来する確率は1万~10万年に1回程度と試算されていて、直ちに対策工事が実施されなかったことが不十分とは言えない
 <政府事故調> 大津波の可能性が検討されたが、認識が甘く、対策に反映されなかった。社内で重要問題と認識されていた形跡はない
 <国会事故調> 何度も事前に対策を立てるチャンスがあったのに、対策を意図的に先送りした。事故は明らかに人災だ
 【菅元首相ら政府首脳の事故後の対応に不備はなかったか】
 <検察> 東電によりベントの早期実施に向けた応急措置が講じられていたのだから、政治家によるベントの実施命令が遅れたとは認められない
 <政府事故調> 十分な情報を得ないまま意思決定をした場面が生じた。当初から官邸が陣頭指揮をとる形で現場の対応に介入したのは不適切
 <国会事故調> 事故対応に拙速な介入を繰り返し、結果として東電の当事者意識を希薄にさせた。住民の防護に全力を尽くすという自覚が無かった 

福島第1原発事故:菅元首相ら政府、東電幹部は全員不起訴
毎日新聞 2013年09月09日 13時45分(最終更新 09月09日 22時06分)

 東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷容疑などで告訴・告発された当時の東電幹部や菅直人元首相(66)など政府関係者ら計42人について、東京地検は9日、全員を不起訴とした。原発が津波で浸水して事故が起きることを具体的に予測するのは困難だったと判断した。告訴人のうち福島県の住民や避難者でつくる「福島原発告訴団」は処分を不服として、検察審査会に審査を申し立てることを明らかにした。

 全国各地の地検が告訴状などを受理していたが、告訴・告発された関係者の多くが東京を拠点に活動していることから、東京地検が一括して処分した。

 地検は、第1原発に津波が到達し、全電源が喪失して原子炉の冷却ができなくなったことが事故原因と認定した上で、東電が2008年に最大で15・7メートルの津波が想定されると試算しながら防潮堤建設などの対策を取っていなかったことの是非を検討。複数の地震や津波の専門家への事情聴取を踏まえ、「当時、東日本大震災クラスの巨大地震は想定されておらず、福島県沖の日本海溝沿いで津波地震の発生を予測した専門的知見は見当たらない」として、巨大津波の予測は困難で刑事責任は問えないと結論付けた。

 津波到達後の東電幹部や政府関係者らの対応については「余震が続き原発内の放射線量が高い中の作業で、炉心損傷の回避は困難だった」と判断。原子炉格納容器の圧力を下げる「ベント」(排気)は早期実施に向けた準備が進められており、菅元首相の原発視察はベント実施に影響しなかったとした。

 不起訴処分の理由は、勝俣恒久前会長(73)や清水正孝元社長(69)ら当時の東電幹部10人が「容疑不十分」、事故対応に当たった菅元首相ら当時の政府首脳は「容疑なし」とした。【島田信幸、吉住遊】

原発事故の責任問わず 菅元首相ら全員不起訴
NHK NEWS WEB9月9日 13時53分

原発事故の責任問わず 菅元首相ら全員不起訴
東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡って告訴・告発されていた東京電力の旧経営陣や菅元総理大臣など40人余りについて、検察は刑事責任を問うことはできないと判断し、全員を不起訴にしました。

不起訴となったのは、法人としての東京電力と勝俣前会長や清水元社長ら旧経営陣、当時の原子力安全委員会の班目元委員長ら原発の規制当局幹部、それに政府の責任者だった菅元総理大臣など40人余りです。
検察は福島第一原発事故について、福島県の住民グループなどの告訴・告発を受け、刑事責任を問えるかどうか1年にわたって捜査を続けてきました。
その結果、事前に十分な津波対策が施されていなかったことについて、「専門家の間でも今回の規模の地震や津波は全く想定されておらず、具体的に津波の発生を予測するのは困難だった。東京電力は平成20年に高さ15メートルを超える津波の試算もしていたが、巨大津波の発生は1万年から10万年に1回程度と考えていて、直ちに津波の対策工事を実施しなかったことが社会的に許されない対応とまでは言えない」と結論づけました。
一方、菅元総理大臣は告発の中で、震災翌日に行った現地視察が事故の拡大を防ぐための作業を遅れさせたと指摘されましたが、検察は「作業の遅れは準備に時間がかかったためで、視察は何ら影響を与えなかった」と判断しました。
不起訴処分に対し告訴・告発したグループは納得できないとして、検察審査会に申し立てる方針で今後、刑事責任を問うかどうかの判断は検察審査会を構成する市民に委ねられることになります。

菅元首相「当然の結果」
民主党の菅元総理大臣は談話を発表し、「総理大臣として事故の拡大を防止し、住民の被害を軽減するため、陣頭指揮に当たった。不起訴処分はこの事実を踏まえて下されたものであり、当然の結果だと受けとめている。これで原発の問題が終わったわけではなく、今後もこの問題に取り組んでいく」としています。
そのうえで談話では、検察の事情聴取に応じなかったことについて、「行政府のすべての事務を所掌する総理大臣が告発された場合、その所掌事務に関して行政府の一員である検察官から取り調べを受けたり、事情を聴かれたりするのは相当でないと考えた」としています。
また、東京電力は「原発事故によって福島県民をはじめ多くの方々に大変なご迷惑とご心配をおかけしたことに改めて心からおわび申し上げます。
今回の不起訴については検察当局のご判断であり、当社としてはコメントを控えさせていただきます」としています。

告訴・告発のグループ「名ばかり捜査だ」
検察の不起訴処分を受けて東京電力の旧経営陣を告訴・告発していた福島県の住民グループが会見を開き、代表を務める河合弘之弁護士は、「検察は強制捜査もせず、どうやって捜査を工夫し、地元の人たちの悲しみを救うのかという前向きな考えが全くなかった。
任意で提出された資料や学者の意見だけで判断すれば不起訴になるのは当然で、名ばかり捜査としか言いようがない」と批判しました。
そのうえで、不起訴処分を不服として近く検察審査会に申し立てるとともに、福島県警に改めて刑事告発をする方針を明らかにし、「今も被ばくに苦しみ、怒りを体で感じている福島の市民や警察官に判断をしてもらいたい」と述べました。

検察のこれまでの捜査
東日本大震災から1年余りがたった去年6月、甚大な被害を招いた原発事故について、福島県の住民などが東京電力の旧経営陣らの刑事責任を問うよう求める告訴状や告発状を検察当局に提出しました。
この告訴団には、全国の1万4000人以上が加わりました。
さらに、別の団体からは、事故後の対応を巡って菅元総理大臣など政府責任者に対する告発も行われました。
これを受けて検察当局は、去年8月、捜査を開始。
しかし、検察にとって自然災害をきっかけに起きた深刻な原子力災害の捜査は初めてで難しいものとなりました。
事故原因の特定に欠かせない本格的な現場検証が高い放射線量に阻まれてできませんでした。
現地を指揮し、ことし7月、病気で亡くなった福島第一原発の吉田昌郎元所長からも体調不良のため話を聞けませんでした。
こうしたなか、検察は、東京電力の勝俣前会長や当時の原子力安全委員会の班目元委員長らの任意の事情聴取を重ね、捜査を進めていきました。
刑事責任を問うには、東日本大震災クラスの津波を現実的な危険として予測できていたことの証明が必要です。
このため、地震や津波の専門家からも幅広く意見を聞いて、当時の共通認識として、どれぐらいの規模の津波の対策が必要とされていたのか詰めていきました。
さらに、菅元総理大臣など当時の政府の責任者にも震災直後の対応について説明を求めました。
これに対し、菅元総理大臣から、先月、「対応に問題はなかった」とする意見書が提出され、検察は直接の事情聴取を見送りました。
告訴・告発されたうち、いくつかの容疑の時効が半年後に迫るなか、検察は、今後、検察審査会に申し立てられる可能性も考慮して、このタイミングで捜査を終結させ不起訴という結論を出しました。

検察の捜査のポイントと判断
検察の捜査のポイントと判断をまとめました。
東京電力の旧経営陣らに対する告訴・告発の中心となった業務上過失致死傷罪を適用するには、主に2つの要件を満たす必要がありました。
1点目は、東日本大震災クラスの地震や津波の発生を具体的に予測できていたか。
2点目に重大な被害を防ぐ対策を取ることが可能だったかです。
まず、巨大地震や津波による深刻な原発事故を事前に予測できたのかという点です。
これについては過去10年、巨大な地震や津波の可能性を指摘する研究結果もありました。
平成14年には、政府の地震調査研究推進本部が、福島県沖を含む日本海溝の近辺で30年以内にマグニチュード8クラスの地震が発生する可能性が20%程度あるという長期的な評価を発表しています。
また、東京電力は平成20年には、今回押し寄せた津波と同じ規模の最大で15.7メートルの津波が想定されるとみずから試算していました。
これについて、東京電力は「仮に算出した数字で実際には起こらないと考えていた」などと釈明しています。
この点について検察は「これまでに巨大な地震や津波を予測したものは裏付けるデータが十分でないという指摘もあり、精度の高いものと認識されていたとはいえず、専門家の間で今回の規模の地震や津波が具体的に予測できたとまでは認められない」と判断しました。
次に被害を防ぐ具体的な対策を取ることができたのかという点です。
告発した住民たちは、巨額の費用がかかる防潮堤の建設が仮に難しかったとしても、非常用のディーゼル発電機を高い場所に移設するなどしておけば、すべての電源を失うことはなかったはずだと指摘しています。
この点についても、検察は「実際の津波は東京電力の試算とは異なる方向から押し寄せており、仮に試算に基づいて防潮堤を設置しても防ぐことができたとは認められない」と否定しました。
そのうえで、「東京電力は巨大地震の発生確率は1万年から10万年に1回程度と考えており、直ちに津波の対策工事を実施しなかったことが社会的に許されない対応とまではいえない」としています。
一方、菅元総理大臣など当時の政府の責任者は地震が起きてからの対応に過失があったかどうか問われました。
特に菅元総理大臣は告発の中で、震災翌日の早朝にみずから福島第一原発を視察したことが事故の拡大を防ぐための作業が遅れた一因となったと批判されていました。
菅元総理大臣は先月、検察に提出した意見書で、「自分はむしろ作業を積極的に進めさせた」などと説明し、刑事責任を否定していました。
これについて検察当局は「事故拡大を防ぐ応急措置の実施義務は東京電力が負っている。
作業に遅れが出たのも作業員が被ばくしないようにするための準備に時間がかかったためで、菅元総理大臣の視察は作業に何ら影響を与えていない」と判断しました。【柳田邦男さん「組織罰の議論を」】
政府の事故調査・検証委員会の委員を務めた作家の柳田邦男さんは「日本の法律で、特定の個人を起訴するには個人の責任と事故の因果関係を明確に認定しなければならないという厳しい条件があり、政府や行政、専門家、そして事業者である東京電力が絡んだ複雑な事故で特定の個人の責任という形で追及することは難しく、予想された結果と言える。
検察の判断では、巨大津波が福島を襲うということが、当時の学会の通念に至っていなかったとしているが事故調査の立場からは、学会全体の見解でなくても先端的な研究をしている人が指摘していれば、十分な対策をすべきでなかったかということが言える。
被害者の立場に立てば、多くの方が避難先などで亡くなり、今なお何万人もの人が帰れないという現実を前にして誰も責任を取らないのはなぜなのかという、非常に納得できない感情を持つと思う。
今後は、欧米で導入されている「組織罰」という考え方を参考に、個人の責任を問えなくても、責任の所在を明らかにする方法を議論していく必要があると思う」と話しています。      
2013.09.10 Tue l 原発事故原因・避難権利訴訟 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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