福島の住民被曝「健康に影響ない」 国連が報告書
2013/5/31 日経
国連科学委員会が、福島原発事故による住民被曝は「健康に影響なし」とした報告書
チェルノブイリの1/30 福島事故、国民全体の甲状腺被曝量 国連委報告案
2013年5月27日朝日新聞
甲状腺被曝を国民全体で足し合わせて、チェウノブイリ全体の1/30というバカげた議論を大見出しにして、健康影響なしという宣伝をしている。

福島県民健康調査では、子どもの甲状腺がん、疑い含め44人で通常100万人に1~3人のところ、調査では200~400人、チェルノブイリ最盛期を上回る発生がある。関係なしと言っているが説明の方法のない事態が始まっている。「健康影響なし」は国連科学委員会の願望に過ぎないのではないか?
日経新聞より転載
東京電力福島第1原子力発電所事故で拡散した放射性物質が周辺住民らに与えた健康影響を調べている国連科学委員会は31日、住民が被曝(ひばく)した放射線量は低く「健康に悪影響は確認できず、今後も起こるとは予想されない」とする報告書の概要を公表する。事故後の避難指示や食品規制が寄与した。日本政府は福島県内などで進める除染計画の見直しに反映する方針だ。

 国連科学委は、年齢や居住地域ごとに全身や甲状腺への被曝線量を推計。1歳の乳幼児が事故後1年間に甲状腺に浴びた放射線量は、福島県の避難区域外で33~66ミリシーベルト、区域内でも最大82ミリシーベルトと見積もった。

国連科学委による福島第1原発事故の報告書案のポイント
甲状腺への被曝は最大82ミリシーベルト(避難区域内の乳幼児、事故後1年間)。明らかな健康影響はみられない
大気中に放出された放射性物質はヨウ素131がチェルノブイリ事故の3分の1未満、セシウム137が4分の1未満
ストロンチウムやプルトニウムの放出量は非常に少ない
米スリーマイル島事故などと比べはるかに重大だが「福島はチェルノブイリではない」
 成人の被曝線量もがんリスクが高まるとされる100ミリシーベルトを下回り、これまでに福島県内の子供で事故後に見つかっている甲状腺がんは被曝とは無関係と推定した。被曝線量が低く抑えられた理由の一つとして、政府が指示した事故後の迅速な避難を挙げた。

 1986年に起きた旧ソ連・チェルノブイリ原発事故では避難者の甲状腺での被曝線量は最大5000ミリシーベルトに達し、事故後に周辺地域で子供の甲状腺がんの発生率が高まった。報告書は、福島原発の周辺住民の被曝線量は少なく「チェルノブイリとは異なる」とした。

 福島第1原発事故を巡っては、世界保健機関(WHO)も今年2月、がんの増加が確認される可能性は低いとする報告書をまとめた。ただ、被曝に伴う中長期的な健康への影響については症例が少なくデータが不足し、専門家の間でも意見は分かれている。

 政府は事故で出た放射性物質の除染について長期的な目標として、年間の積算線量が1ミリシーベルト以下としている。ただ現実的には1ミリシーベルトを達成するのは難しく、住民の帰還が進まない一因になっているとの指摘もある。政府は健康影響は確認できないとする国連の報告書を踏まえ、目標を緩和する方向で検討している。

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以下朝日新聞より転載
 東京電力福島第一原発事故について、国連科学委員会が報告書案をまとめた。集団でみた日本国民の総被曝(ひばく)線量(集団線量)は、甲状腺がチェルノブイリ原発事故の約30分の1、全身は約10分の1と推計した。個人の被曝線量も推計し、多くが防護剤をのむ基準以下で、健康影響は「(6千人の甲状腺がんが出た)チェルノブイリとは異なる」「(がんの発生は少なく)見つけるのが難しいレベル」と結論づけた。
 
 報告書案は、国連科学委員会の専門家ら約85人が2年かけてまとめた。27日からウィーンで始まる科学委員会総会で議論され、9月の国連総会に提出される。
 朝日新聞が入手した報告書案によると、事故は、米スリーマイル島などの事故より「はるかに深刻」とした。ただし、チェルノブイリに比べて、放射性ヨウ素131の総放出量は3分の1未満、セシウム137は4分の1未満で、ストロンチウムやプルトニウムは「非常に微量」と評価した。
 報告書案では、福島県内に住む住民の全身と甲状腺の被曝線量を地域ごとに推計した。事故後1年の全身被曝は、県内で原発30キロ圏外の成人が4ミリシーベルト未満、1歳児は7・5ミリシーベルト未満、30キロ圏内は成人が10ミリシーベルト未満、1歳児は20ミリシーベルト未満とした。
 甲状腺は、原発30キロ圏外の1歳児が33~66、成人が8~24、30キロ圏内の1歳児が20~82ミリシーベルトで、いずれも、がんが増えるとされる100ミリ以下だった。
 原発事故との因果関係が唯一、科学的に解明されている甲状腺がんの発生リスクも予測した。
 30キロ圏外の1歳児の甲状腺被曝を平均50ミリシーベルトと推計。女児100人がそれだけ被曝すると、甲状腺がんは事故とは関係なく、生涯で0・8(人)発生するが、事故で0・2(人)増えると予測された。男児は100人で、0・2(人)が0・05(人)増えると予測された。
 ■数値、不確定要素も
 報告書案は、個人の線量を踏まえた上で、日本全国の影響をみるため、地域ごとの推計被曝線量に被曝人数をかけ合わせ、日本全体の「集団線量」を計算した。日本人全体の集団線量(事故後10年間)は、全身が3万2千、甲状腺が9万9千(人・シーベルト)と算出され、チェルノブイリ事故による旧ソ連や周辺国約6億人の集団線量のそれぞれ約10分の1、約30分の1だった。
 チェルノブイリ原発事故と比べて、放射性物質の放出量が少なかった上、日本では住民の避難や食品規制などの対策が比較的、迅速に取られたと指摘した。避難により、甲状腺の被曝が「最大500ミリシーベルト防げた人もいた」とした。
 チェルノブイリの避難民の甲状腺被曝線量は平均で500、汚染区域住民は平均100ミリシーベルトで、乳幼児はその2~4倍と推計されている。約6千人の甲状腺がんが発生し、十数人が死亡した。
 報告書案は、福島第一原発の健康影響について「(がんが増加しても非常に少ないため)見つけるのは難しい」「福島はチェルノブイリではない」と結論付けた。
 ただし、報告書は、原発事故による放射性物質の放出量や、放射性ヨウ素の実測値が不足しているほか、被曝線量については不確定要素も多いと分析した。低線量被曝による健康影響もまだ十分に解明されていないとも指摘した。報告書は数年後に、新たなデータを踏まえて見直される予定だ。
 (医療・被曝担当=大岩ゆり)
 ◆キーワード
 <集団線量> 原発事故による放射性物質の放出で受ける影響を探るため、広範囲に住む住民全員の被曝線量を総計したもの。この数値を使えば、原発事故ごとに影響の規模を比較できる。福島第一原発事故の場合、福島県のほか、隣接・近隣の6県、その他の40都道府県についても推計値を求め、日本全体約1億3千万人で推計した。40都道府県の成人の甲状腺の被曝線量は、食品や呼吸で0・5~1・0ミリシーベルトの推計値を使った。
2013.09.27 Fri l 福島放射能健康影響 l コメント (12) トラックバック (0) l top

コメント

平均ですか?
朝日の記事について、
甲状腺被曝を国民全体で「平均」しているようには読めませんけれど・・

国民全体の集団線量を日本と旧ソ連と周辺国で比較しているので、平均ではなくて、総和ですよね?

2013.10.29 Tue l トーナス. URL l 編集
No title
ご指摘の通りです。
集団でみた日本国民の総被曝線量(集団線量)をチェルノブイリ事故と比べて、甲状腺がチェルノブイリ原発事故の約30分の1、全身は約10分の1と推計しています。
事故による被曝の規模を比較していました。平均ではありません。

ご指摘ありがとうございました。
2013.10.29 Tue l natureflow1. URL l 編集
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2013.10.29 Tue l . l 編集
記事訂正
上記2コメントにより、記事を訂正しました。
2013.10.29 Tue l natureflow1. URL l 編集
バカげていますか?
あの、たびたびすみません。
別にしつこく追求するつもりはありませんが、

国民の平均ではなく、「総被曝線量」と訂正いただき、ありがとうございます。

でも、「平均」とされた最初の思い込みであれば、「バカげた議論」といえますけれど、総被曝線量同士を比較して、事故の規模を10分の1や30分の1と推計することは、バカげてはいないと思います。

事故レベルは同じ7ですが、福島を「チェルノブイリを凌駕する」とか「チェルノブイリ以上」と煽る人もいるのですから、大見出しにする必要のある事項だと思います。
2013.10.30 Wed l トーナス. URL l 編集
トーナスさま
福島の住民被曝「健康に影響ない」 国連が報告書
日経
チェルノブイリの1/30 福島事故、国民全体の甲状腺被曝量 国連委報告案 朝日
という見出しは、福島周辺で健康被害は出ないと国連報告書が言っているニュアンスの記事でしょう。朝日も「国民全体の甲状腺被曝量の日本全体の総和はチェルノブイリの30分の1」とすれば少しはましになったでしょう。
被曝の影響を心配している人にとって、日本人全体の被曝量の総和がチェルノブイリの被曝量総和の30分の1であっても何の関係もないことです。

福島を「チェルノブイリを凌駕する」とか「チェルノブイリ以上」とまともに主張している人はないと思います。
イギリスでチェルノブイリ25年後でもセシウム汚染で羊の肉が出荷停止ということもあるのですから、事故の規模は10分の1、30分の1かもしれません。でも福島の汚染が健康被害をおこさないということではないでしょう。
ヨウ素の初期被曝もほとんど正確には測定されず、分かっていないのが現実だと思います。
ヨウ素剤も配られていませんし。ポーランドではヨウ素剤服用が実行されています。
福島県甲状腺検査の結果も18人が手術をして癌が確定、疑いを含めると43人、チェルノブイリ最盛期を上回っています。4-5年経てばどうなるのか注目する必要があるよ思います。

2013.11.03 Sun l natureflow1. URL l 編集
トーナスさま 続き
福島県甲状腺健康調査の結果については、主要紙、NHK・・・・ほとんど報道されていません。見えない場所にほんの少し触れていたらよい方です。
東電・国の責任による原発事故の被害・・に関係することをわかりやすい見出しで取り上げないということは、国民の知る権利がなきに等しいということだと思います。
2013.11.04 Mon l natureflow1. URL l 編集
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2013.11.04 Mon l . l 編集
続き
日経の記事 国連科学委による福島第1原発事故の報告書案のポイント
大気中に放出された放射性物質はヨウ素131がチェルノブイリ事故の3分の1未満、セシウム137が4分の1未満
これを見出しにするより10倍薄めた見出しを
朝日は採用した。

甲状腺への被曝は最大82ミリシーベルト(避難区域内の乳幼児、事故後1年間)。明らかな健康影響はみられない

原爆による被爆
爆心地から3。5km 
累積被曝量1mSv以上 
被爆手帳が交付され 医療費無料です。
それでも被爆による健康被害の認定が60年以上まだ続いている。
国連科学委員会は信頼できますか?
2013.11.04 Mon l natureflow1. URL l 編集
捉え方によるふたつの数字
 最初のコメントのときには、日経と朝日の数字の違いを気にしていなかったのですが、改めて両記事を読み比べました。
 どちらの数字も科学委の報告に出ていて、どちらを採るか、という点で両紙の意向が分かれたわけですね。
日経は、総放出量。
  ヨウ素131が3分の1、セシウム137が4分の1
 朝日は、集団線量。
     全身  10分の1、 甲状腺  30分の1

 事故の規模を、原子炉から出た放射線量で捉えるか、人間が浴びた放射線量で捉えるかの違いです。
 要は、チェルノブイリよりも福島のほうが、放出量自体が少なかったうえに、まがりなりにもちゃんと避難させたから、被曝量を減らせた、ということです。 

 健康について心配する国民としては、むしろ浴びた量が問題のように思います。もっとも、土壌の汚染も心配ですから、放出量も気になります。両方を見出しにはできないですよね。
 もっとも、推計であることには変わりありませんが、これはチェルノブイリもそうで、推計同士を比較するしかありません。

「朝日が10倍薄めた」というのは当たらないと思います。
 
 
「チェルノブイリ超え」は、あなた自身がタイトルにしてお書きになっていますよ。
 http://natureflow1.blog.fc2.com/blog-entry-226.html

 とある団体が、ECRRのバズビー氏をわざわざ日本に呼んで、40万人が死ぬという予想を発表させましたよね。
 ICRPやIAEAや国連を信用しない反原発の人たちの拠りどころとなっているのが、ECRRかと思います。

 「チェルノブイリ 凌駕」とでも検索すれば、いろいろ出てくると思います。

甲状腺がんについては、下記のサイトをお読みください。
http://shinobuyamaneko.blog81.fc2.com/blog-entry-143.html

100万人に1~3人は、年間発症率です。
自覚症状のない子供の集団を精度の高い機器を用いて検査したわけですから、「通常」よりも多く発見されるのが正常です。 
他県の検査結果と比べても、異常はないです。
 チェルノブイリの例を見ても、2年や2年半では増加していません。
 
国連科学委を信用するかどうかは、各人が情報を分析したうえで考えることです。
もちろん、今後も福島の健康調査については、注視していく必要があります。

原爆は原爆、原発は原発で、どちらもきめ細かな対応が必要であり、現政策が十分とは考えておりません。

  
2013.11.04 Mon l トーナス. URL l 編集
コメントありがとうございます
トーナスさま
コメントを読み、熟慮いたしました。
言葉の使い方が難しいこと、意図しない方向で読んだり、読まれたりすることを感じました。
福島の小児甲状腺がん多発 チェルノブイリを越える の記事は、福島の検査による小児甲状腺がん発見割合が、チェルノブイリの割合を越えているのではないかという意味で書いたのですが、読む人によっては、チェルノブイリ以上に絶対数でも多発すると読まれるでしょう。

すべてを考慮して、相当時間をかけて
福島とチェルノブイリの小児甲状腺がん比較
http://natureflow1.blog.fc2.com/blog-entry-252.html
を掲載しました。まだ十分読み直せていませんが、呼んでいただいて間違いなど指摘kださればありがたいです。
2013.11.08 Fri l natureflow. URL l 編集
コメントありがとうございます
コメントしていただいたこと熟考しました。
何かを主張する時、あるいは記事を読むとき
意識せずに誤解を招いたり、読み違えたりすることがあると難しさを感じました。
福島の小児甲状腺がん多発 チェルノブイリを越える の見出しは、福島の検査結果による、甲状腺がん発見割合はチェルノブイリの甲状腺がん発生割合と比較して大きいということを述べたのですが、事故の規模を比較したものではありません。しかし読む側にはそういう印象を与えるということは理解できます。

チェルノブイリと福島を同じ条件で比較しようと
福島とチェルノブイリの小児甲状腺がん比較http://natureflow1.blog.fc2.com/blog-entry-252.html を掲載しました。
コメントの疑問を解決すべく元資料を調べ、福島の状況は決して安心すべきものではないという考えに至りました。読んでいただいたら間違い、疑問などご指摘ください。
2013.11.08 Fri l natureflow. URL l 編集

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