2013年11月30日、日本クリスチャンアカデミー主催の修学院フォーラム、エネルギーを考える1に参加した。チェルノブイリと福島からというテーマで、両方にかかわった医師山崎し知行氏の講演であった。
 そこでの話し合いで知り合った、シュペネマン・大島偕美氏から、ドイツの脱原発についての原稿を読ませてもらった。常々ドイツの行き方に興味を持っていたが、非常に分かりやすい解説なので、許可を得てここに抜粋させていただく。
その会に出席されていた同志社大学文学部哲学科教授クラウス・シュペネマン氏の夫人で、自身も大学、同志社国際高等学校でドイツ語を教えておられる。
誰でもが人間らしく生き、人間らしく死ぬ権利がある
-3.11にドイツは脱原発を決断し、日本は原発継続を決断した-

に原稿全文を掲載した。
明日への美Art Futureに掲載されているのを見つけたので参照してほしい。

「ドイツのメルケル首相は、3月 11日の朝、原発賛成者として目覚め、原発反対者として眠りについた」と「Spiegel」(鏡という意)という有力な雑誌は記しました。それには、どのような背景があったのでしょう。それほどの180度の大転換でした。

 第二次世界大戦で、ドイツは 5 月 8 日に無条件降伏を受諾し、日本は 8 月 15 日まで返答を躊躇ったため、その間、広島と長崎の原爆の悲劇を受けたのです。両国はファシズム主導の戦争、戦後は瓦礫から出発し、本来の勤勉精神で、世界でも有数の経済大国にありまでの復興を果たしました。

 でも、このところ日独の違いを感じます。ドイツ人たちは異口同音に、「日本人は原爆の悲劇的体験をしているのに、世界で米仏に次いで、第3位(54基)もの原発大国になり、また、今回の福島原発事故でも、即脱原発を叫ばないのでしょうか」と怪しげに聞きます。不思議です。それもその筈です。

 世界で 427 基ある原発の内、どこの国でも、その管理が最低見積もって 10 万年後まで必要な核廃棄物の処理方法には、その解決の糸口さえ掴めていないのです。
 似通った歴史的体験を経ても、今、原発問題で両国の明暗が分かれました。
日本はドイツから一体何を学ぶことができるでしょうか。

・ 2011年3月11日の東北大震災後、僅か 3日後には、ドイツの原発7基(その後 8基)に永久運転停止命令が出ました。
・ 3月27日には、58 年間続いたバーデン・ヴュルテンベルク州の保守政権が崩れ、緑の党が大躍進しました。他州でも同様の結果が出ました。

・ 5月9日、政府与党は以下のような構想を発表しました。
第一に、一世代内に、再生可能エネルギー源でほぼ100%の電力供給をめざす。
(2007年には開始されていた)
第二に、橋渡し的に石炭やガス発電を行うが、温室効果ガスの削減率は達成する。
京都議定書で約束した削減両立は、2012 年を待つことなく 2007 年には 22.4%削減した。(日本は6%の削減率も達成できず、+4%だという)ドイツは原発8基を完全停止させても、削減は達成できた。
第三に、送電網や逐電装置を拡充させる。北海やバルト海からの送電網は緊急の課題
第四に、エネルギー効率を高めるために、省エネ改築した家屋に助成金を出す。
第五に、残りの9基は、段階的に停止させ、最後の2基は2022年 12月31日で停止。

この様に矢継ぎ早に脱原発に迎えるドイツの背景には何があるのでしょう。
自身、物理学博士のメルケル首相は即、17人の倫理委員会を招集しました。
それは、あらゆる分野を網羅した人事でした。
彼らの真剣な喧々諤々の討議により、
・ 原発のリスクを次世代の責任にできない。
・ 放射性廃棄物の処理方法がまだ分からない。
・ 再生可能エネルギーにより脱原発は可能である。

しかも、その過程で十分な経済効果が得られると、経済研究所は試算している。
という結論に達しました。決断が「Sofort」(直ちに)されたことは羨ましい国です。

 ただ日本と違って、高緯度の国なので、日照時間が限られている。風力発電からの灰電線不足も指摘されますが、何よりも大切な命を犠牲にできないから、国策として脱原発に踏み切りました。この背景には、50万人もの会員を持つ環境保護団体の存在や、幼児からのきちんとした環境教育の結果、国民の意思が反映されたからでしょう。

それに何よりも平和が脅かされるのを危惧する国でもあります。戦後、一貫して、周辺諸国と平和で友好な関係を築いてきたドイツに教えられるところはないでしょうか。日本は現在、歴史的にも一番友好な関係を持つべき中国や韓国ともよい絆がありません。

 勿論、よく言われることに、「ドイツはフランスからの電力供給を見込んで」とありますが、それを一切見込むことなく、脱原発は可能と試算されています。

2014.01.08 Wed l 脱原発・エネルギー政策 l コメント (2) トラックバック (0) l top

コメント

No title
ほんとにね~

私もどなたかから、ドイツはフランスから電力を買っていると
言われたことがあります。
でも、詳しい事は分からなくても、自国では脱原発。
足りない分をとりあえず買って補い、将来的には
他のエネルギーで賄えるように全力を挙げて
研究開発していく
何年先でも、それで見通しが出来るようになれば
周辺諸国 世界にアピールしていくのではないの?
私はそんな風に答えました  
こんな答えでいいのかな~ とも思いました
少し 勉強すればいいのに ^^

日本がこのまま進む事の無いように、なんとか私たち 頑張らないとね~
いつもそう思うのです

慰安婦問題など、どう思われていますか?
2014.01.12 Sun l さくら. URL l 編集
コメントありがとう
さくらさま、コメントありがとうございます。
本当に日本は大きい原発事故を起こして、16万人もの人たちが故郷に帰れず避難生活をしているというのに、忘れて平気に、再稼動、原発輸出で経済成長・・・などといっていますね。
脱原発への動きが弱い弱い!!

さくらさんの答えはその通りなのではないでしょうか。

従軍慰安婦問題は事実としていろいろな国であったのでしょう。日本は加害国、植民地化した韓国や進出した中国でどんなことをしたのか、都合の悪い記録を保存しているはずがないので、被害者が沢山おられる以上当然あり、世界の多くの国があったと認めているでしょう。アメリカに慰安婦像を作ったといって抗議しても、事実を認めないで謝罪をしない卑怯な国という印象が広がるだけの逆効果でしょうね。
市民と政府により被害者に償う「アジア女性基金」は不十分ながら村山首相・橋本首相・以降の総理のお詫びの手紙とともに償い金と医療支援金を受け取ってもらった歴史もあります。

でも安倍氏はそれらの歴史を認めず、歴史修正主義と欧米で批判されている人ですから。歴史を直視しない愛国心の強制は恐ろしいことです。
書き始めたら長くなりますのでここまで。
2014.01.21 Tue l natureflow. URL l 編集

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