原爆投下から68年、今なお原爆症認定を却下された被曝者の認定を求める訴訟が起こされ、国の敗訴が続く。
 2013.3月現在、原爆手帳を持つ被爆者は20.2万人、造血・肝臓機能障害などの健康管理手当て受給者は17.1万人に及ぶのに、原爆症認定を受けているのは8522人で4%ほどである。 
今後も原爆症認定を求める被曝者と国の戦いは続くだろう。これは原爆被爆者のみの問題ではなく、福島原発事故による被曝の問題、日本国民の問題である。
原爆被曝者構成
原爆症 新基準外も認定 大阪地裁、4人の却下処分取り消し
読売新聞 2014年3月21日 より

 原爆症の認定申請を却下された大阪、兵庫、奈良3府県の被爆者7人が国に却下処分の取り消しなどを求めた訴訟の判決で、大阪地裁は20日、認定要件を緩和した昨年12月導入の新基準でも認められなかった4人について、却下処分を取り消し、原爆症と認めた。

田中健治裁判長は「被爆と疾病には因果関係が認められる」と述べた。

原爆症裁判原告疾病・被曝状況
読売新聞2014.3.21

 厚生労働省の新基準導入後、初の司法判断。従来認められにくかった心筋梗塞などがん以外の疾病も積極認定するなどとした新基準より幅広く救済しており、司法と行政の認定範囲の隔たりが改めて鮮明になった。

 4人は肝臓がんや胃がん、狭心症などを患う69~85歳の男女。いずれも長崎で被爆し、爆心地から1・1~4キロ地点にいたり、原爆投下翌日から遅くとも7日後までに爆心地近くへ立ち入ったりした。

 2008年2月~11年1月に原爆症認定を申請したが、08年4月に導入された認定基準で却下された。今年1月以降の新基準に基づく再審査でも退けられた。

骨髄異形性症候群 MDS は第二の白血病といわれ、原爆投下後60年を経て増えており、疫学証明により因果関係が認められた病気。 by natureflow

 判決は「様々な形態で被曝ひばくした可能性を検討すべきだ」と指摘。4人の行動範囲などから、がれきの粉じんによる内部被曝を考慮し、爆心地からの距離で推定される以上の放射線量に被曝したなどと認め、国の却下処分は違法と結論づけた。

 原告7人のうち、心筋梗塞などを発症した他の3人は、今年2月下旬までに新基準で認定され、処分の取り消し請求は取り下げた。

関連リンク
根底が崩れた認定基準
原爆症認定の基礎要件は被爆線量≒1ミリシーベルト以上
福島原発事故被曝と原爆被曝者健康手帳
福島原発事故被曝と原爆症認定基準
被曝者手帳と原爆症認定制度

原爆症却下の4人認定 国、敗訴のたびに基準改定
日本経済新聞 2014/3/20 以下に転載
 原爆症の認定制度では、国が放射線が原因の病気で治療が必要だと認めると、月約13万5千円の医療特別手当が支給される。認定申請を却下された被爆者が2003年以降に起こした集団訴訟で国側の敗訴が続き、認定基準は改正が重ねられてきた。

 国側敗訴が続いたことを受け、厚生労働省は08年、被爆時の状況や疾病など一定の要件を満たせば積極的に認定する基準(旧基準)を導入。しかし、その後も申請却下は相次ぎ、却下処分の取り消し訴訟で国が敗訴する事態が続いた。

 同省は昨年12月、4疾病(白内障、心筋梗塞、甲状腺機能低下症、慢性肝炎・肝硬変)について認定要件を緩和する基準(新基準)を導入したが、被爆者側からはなお批判の声が上がっている。
------------------------転載終了

原爆症、認定基準を否定 大阪地裁、4人の請求認める
朝日新聞 2014年3月20日

2014.03.25 Tue l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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