イラクで「人道支援」活動中、2004年「イラク日本人人質事件」で武装勢力に監禁され。その後解放された高遠菜穂子さんの最近の記事を読んだ。
イラクで先天異常(無脳症や小頭症、水頭症、二分脊椎、心臓病など)の赤ちゃんが多い、ところが世界保健機関(WHO)の調査結果は「先天異常の割合が高いことを示す明確な証拠はない」と、兵器との因果関係を認めなかった。

 この事情は、汚染地帯の住民に深刻な健康被害が生じていることを明らかにし、国際社会に支援を訴えるウクライナ政府に対して、小児甲状腺がんを除いて放射線の影響とは認めない国連科学委員会、IAEA、WHOと酷似している。
国連はアメリカなど大国に配慮して、劣化ウラン弾などの兵器の影響と認めないのであろう。

以下 心臓病の子、米医師につなぐ イラク支援ボランティア 高遠菜穂子(下)
2014年8月23日朝日デジタル より転載

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 2009年、人質事件から5年ぶりにイラクを訪れた高遠菜穂子(44)は、
現地で先天異常の赤ちゃんが多いことに驚いた。
無脳症や小頭症、水頭症、二分脊椎(せきつい)、心臓病、手足や肛門(こうもん)の奇形……。

米軍に激しく攻撃されたファルージャやラマディといった街で顕著だった。

 ファルージャ総合病院の小児科医らが09~10年に約2千人の赤ちゃんを調べた。すると、
先天異常のある赤ちゃんは14・4%に上った。
日本では2%台という調査結果があり、それに比べ非常に高い。

高遠が接したファルージャ出身の夫婦は、生まれたばかりの赤ちゃんを4人亡くしていた。

 米軍の使用した劣化ウラン弾や白リン弾などに含まれる重金属が遺伝子を傷つけた可能性が指摘されている。

 しかし昨年9月、世界保健機関(WHO)が発表した調査結果
「先天異常の割合が高いことを示す明確な証拠はない」。
兵器との因果関係が明らかにされると期待した関係者を落胆させた。

以下高遠さんの活動です~~ 
先天異常の原因が特定されようがされまいが、目の前で苦しんでいる子どもたちを1人でも多く助けなければならない。高遠は子どもを専門医につなぐコーディネーター役を買って出た。 最初のケースは、先天性心疾患を抱えるファルージャの赤ちゃん。現地の医師から「この子は手術をすれば助かる。でも、今のイラクでは手術は無理」とのメールが届いた。日本の手術費は高く実現は困難。子どもの心臓手術専門の米国のNGOがあり、トルコの病院で低額で手術できるという。イラク側と米NGOの間に入って何度も電話で調整、無事手術ができ、赤ちゃんは元気になった。

 その後、このNGOや国際医療チームと連携し、イラク南部のナシリアで先天性心疾患の子どもたちを手術するミッションに加わった。カンパを呼びかけ、病院に寝泊まりしながらイラク人と米国人を取り持つ役割を果たした。「反米感情が強いイラクでは、日本人の私が入ることで米国人とのコミュニケーションがスムーズにいくんです」

 NPO法人日本イラク医療支援ネットワーク(JIM―NET)事務局長で、高遠が最初にイラクに入った時から交流がある佐藤真紀(53)は「信頼関係を築く上では、日本人ということを超えた個人のキャラクターも大きい。国境を越えてプレーするサッカー選手のように『国際標準』みたいな能力を持っている」と評価する。

■20代監督の映画で注目

 昨年末、高遠への注目が再び高まる出来事があった。イラクの武装勢力が日本人を拉致して自衛隊の撤退を求めた04年の人質事件を振り返り、捕らわれの身となった高遠や今井紀明(29)の今を追うドキュメンタリー映画「ファルージャ」が公開されたのだ。

 監督を務めたのは、伊藤めぐみ(29)。イラク戦争の開戦当時は高校生で、日本政府がこの戦争を支持したことにショックを受けた1人だ。人質となった3人や、自衛隊撤退を求めたその家族に対する猛烈なバッシングにも違和感を覚えた。「自分も批判されたように感じ、心の整理ができないままでした」

 昨年初め、イラクに入って高遠に密着し、医療支援の様子を取材した。印象的なのは、高遠のイラク人患者との接し方だ。通訳ではなく、患者の目を見て話しかける。すると患者もうれしそうに高遠の目を見て答える。高遠の言う「心の交流」を見た気がした。

 10年前、人質事件に遭った3人は、それぞれ違う道を歩んでいる。ただ3人とも、弱い立場の個人に寄り添おうとする姿勢は当時から変わっていない。

 今井は大学を卒業し、商社勤務を経て、通信制高校生を支援するNPOを大阪で立ち上げた。「通信制高校生の多くは、僕と同じように自分を否定された経験がある。あの事件は今の僕の仕事の原点です」。写真家の郡山総一郎(42)は原発事故後の福島や、関東の高齢者の孤独死の現場、テロが頻発するタイ南部など幅広いフィールドでシャッターを切り、国内外に発信している。

 映画「ファルージャ」の終盤、高遠が伊藤のインタビューに応じ、声を詰まらせる場面がある。「現場にいるから、命の体温をすごい感じる。あと数時間の命ですっていわれた赤ちゃんの皮膚の感覚とか忘れられない。短い命をもって、この子たちが私たちに何を直視しろと言っているのか、ちゃんと受け止めたい」

 戦闘が続くイラク。集団的自衛権の行使容認にかじを切った日本。発言を求められる機会が増えた。「体温のある命」をよりどころとする言葉が重く響く。

 この夏も彼(か)の地で汗を流している。

2014.08.24 Sun l 戦争と平和 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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