海水注入「もったいない」 東電本店が難色 テレビ会議映像で判明
2012/8/11 1:36

 東京電力が6日に公開した福島第1原子力発電所事故後の社内テレビ会議の映像で、危機的状況にあった2号機への海水注入に、本店が「もったいない」と難色を示していたことが明らかになった。東電の発表を国が止めようとしたため情報公表が遅れたことも判明。事故翌日に1号機で水素爆発が起きた後も事故対応の混乱が続き、事態悪化を止められなかった実態が浮き彫りになった。

 「いきなり海水というのは材料が腐ったりしてもったいない」(東電本店の社員)

3号機が爆発し騒然とする東京電力本店(2011年3月14日)=同社提供
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3号機が爆発し騒然とする東京電力本店(2011年3月14日)=同社提供
 公開映像によると、第1原発の吉田昌郎所長(当時)は昨年3月13日午後8時半ごろ、2号機原子炉を冷却するため海水の注入を準備。これに東電本店の「復旧班」社員が異議を唱えた。

 吉田所長は「圧倒的に大量の水が必要なときに真水にこだわっていると大変なんですよ。海水で行かざるを得ない」と反論したが、本店社員は「いかにももったいないなという感じがする」と重ねて指摘。圧力容器などが海水の塩分で腐食し、廃炉になるのを恐れたとみられる。社員の氏名などは公表されていない。

 その後、海水注入は始まったが原子炉水位が低下、15日午前の格納容器損傷につながった。

 「非常に乱暴な意見だが、上の方からヘリコプターで来て、何かで突き破らせる」(福島第1原発の社員)

 13日午後は3号機の原子炉建屋に水素がたまり、前日の1号機に続き水素爆発する懸念も高まっていた。公開映像では、ヘリコプターから何かを落として建屋に穴を開け、水素を逃がすことを提案する発言があった。

 本店社員は「火花が出て引火して爆発して同じだ」と反論。吉田所長も「水を入れている連中が真下で作業をしており危ない」と受け入れなかった。本店の別の社員は「荒唐無稽だけど、自衛隊に頼んで火器でパネル吹っ飛ばしてもらえば」「だって、どの道、吹っ飛ぶよ」と投げやりともとれる発言をした。結局、有効な手段を取れないまま翌14日午前11時すぎに水素爆発が起きた。

 「3号機の格納容器の圧力異常上昇、国がマスコミを止めているので報道発表できない」(第1原発の広報班社員)

 公開映像によると、水素爆発が近づいた3号機は14日未明、格納容器の圧力が上昇。吉田所長は「もう危機的状況ですよ!」と叫んだ。東電は政府に通報し、報道発表しようとしたが、首相官邸が待ったをかけた。

 一方、勝俣恒久会長(当時)は13日夜、水素爆発の懸念を巡り「それは確率的には非常に少ないと思うよ」「国民を騒がせるのがいいかどうかの判断だけど。社長会見で聞かれたらそれは否定するよ」と発言していた。

 同日午前には、本店広報班社員が、民放番組を名指しし「東京電力が何もやっていないというような言いっぷり。営業ルートで今すぐ抗議しております」と、報道介入を疑わせる発言もあった。
2013.10.16 Wed l 原発事故原因・避難権利訴訟 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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