放影研の原爆被曝者調査検証 2
”低線量被曝 0~100ミリシーベルトではがん死亡と被曝線量とのとの関係は不明”
とよく言われ、これが100ミリシーベルト安全説の根拠となっている。

放影研の疫学調査の検証から、
初期放射能被曝の5~100ミリシーベルト領域で
過剰がん発生・死亡リスクが見られる

ことを示す。

放影研における原爆被爆者の疫学調査で明らかになった とされることは
☆ がんによる死亡リスクは100~200ミリシーベルト以上では被曝線量に比例
 低線量被曝 0~100ミリシーベルトでは被曝線量とのとの関係は不明
を検証する。

図1 がん死亡リスクと被曝放射線量との関係(放影研・原爆被爆者調査結果より
放影研がん死亡リスク

それ以上で影響があり、それ以下で影響がないといった境目の被曝線量が
「しきい値」といわれる。(例 ☆2の100ミリシーベルト

疫学調査で被曝によって、がん発生やがん死などの健康影響があると判断されるのは
☆がん発生・死亡リスクが被曝線量に比例する
☆「しきい値」 があるかどうかがポイント
  「しきい値」なし ⇒ 低線量で被爆影響がある
ことが証明されたことになる。

図2 疫学調査論文から放射線の健康影響を読み解くポイント
疫学調査基準

では、図1.の元データはどこに?と調べると意外に見つからない。元データの示されたA.B.から初期被ばく線量とがん死リスク、発がんリスクとの関係、低線量被曝の影響を検証する。

A.がん死リスクについて 低線量被曝問題はなぜ混乱が続くのかより  
 放影研の頑張く被爆者疫学研究では、データはいろいろな方法で解析されているが基本的に同様の結果を示している。低線量被曝によるがん死の増加について調べた例を、原論文Cancer risks attributable to low doses of ionizing radiation から転載する。

図3 原爆被爆者過剰相対がん死リスク
過剰がん死リスク
 平均被ばく線量 100mSv 以下の全てのグループでがん死リスクは増加している。
平均被曝線量100mSv以下の34~86mSv の4グループの
過剰相対がん死リスクは「統計的に有意に」非被爆者より大きい。

放影研疫学調査の原論文 の結論
100ミリシーベルト以下の線量域に統計的に有意ながん死リスクの増加がある
一般向け資料、放影研疫学調査で明らかになったこと において 
低線量被曝 0~100ミリシーベルトでは被曝線量とのとの関係は不明
と改ざんされている。放影研が放射線被曝の研究結果を無視し、100ミリシーベルト安全説を広めている。

B.発がんリスクについて よく分かる原子力 放射線の健康影響より 
放射線影響研究所では、爆心地から2.5km以内で被爆した86,572人の生存者[筆者注*および非被曝者として、爆心地から2.5~10kmで被爆した人37458人]について、放射線影響調査を行っています。その結果が被爆者の生涯調査報告書として1962 年から発表され2003年10月には第13報が出されました。この報告を読みますと47年間に及ぶ 調査の結果、がんだけでなく心疾患、脳溢血、消化器疾患、呼吸器疾患が、被爆により増加することが明らかになりました。そして、図4.に示すように、次の2点が判明しました。
☆1.被爆線量とがんの発生率には直線関係が成り立つ
☆2.ある線量以下ならば被爆しても安全という「しきい値」の存在は証明出来ない


図4. 被ばく線量と発がんリスクの関係
Donald A. Pierce、Dale L. Preston 原爆被爆者における低線量放射線のがんリスク 
RERF,Vol.12,2001
 P.16~17 の結論は
0–100 mSvの線量域に限って見た場合でも統計的に有意なリスクの直接的証拠がある。 
原爆被爆者過剰発がんリスク

A.がん死リスク B.発がんリスク のいずれの疫学調査において
100ミリシーベルト以下の被曝で過剰がん死・がん発生がみられる
ことが報告されているにも関わらず
一般向け資料、放影研疫学調査で明らかになったこと において 
低線量被曝 0~100ミリシーベルトでは被曝線量とのとの関係は不明
と国民に偽りの情報が発信されている。
被曝の影響を可能な限り低く見積りたいという日・米両国の意志なのか?

放影研の原爆被曝者調査検証1 放射線被曝早見図で
100ミリシーベルト以下の被曝では「がんの過剰発生がみられない」⇒
100ミリシーベルト超では「がん死亡のリスクが線量とともに増える」と改訂されたが
100ミリシーベルト以下の被曝でも「がんの過剰発生が見られる」 
と改めるべき。
放影研の原爆被曝者調査検証6・7で
放影研の原爆被曝者調査は、2.5km以内の被爆者を"2.5k~10kmの残留放射能によって初期放射能以上の被曝を受けた被曝者"と比較するという致命的欠陥を持つこと、このために低線量被曝の影響は、当然隠されてしまうことを明らかにした。
しかし初期放射線+残留放射能による被曝線量で100ミリシーベルト以下の調査はされていないので、ここでは、残留放射能を無視した放影研の調査から、初期被ばく線量の100ミリシーベルト以下の影響をみた。

「しきい値=100ミリシーベルト」という主張の下で、しきい値以下の放射線量とがん発症率の関係については、以下に示される3つの考え方がある。
図5.しきい値以下の放射線量とがん発症率の関係 
100ミリシーベルト安全の根拠 原爆の知見を信用しますかより
がん発生閾値線量

よく分かる原子力 放射線の健康影響で、2つの問題点が指摘されている。
1.調査の開始時期が被爆後5年経過しているために、放射線に感受性の高い人はみな死んでしまっている。その結果、放射線に抵抗性の人を選択して調べている可能性がある。
2.被爆者の被爆線量は原爆が爆発した時に発生した放射線による直接の被爆のみしか計算されていないこと。内部被爆や、残留放射線による被爆が考慮されるべきこと。

2015.03.08 Sun l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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