先回の記事に関して、Diamond online 特別レポートで小澤氏の優れたレポートを見つけたのでエッセンスを引用して考えます。
小澤祥司
環境ジャーナリスト/日本大学生物資源科学部講師
2011年3月以降、飯舘村の汚染調査、住民の支援に取り組む。


はたして放射能汚染地域は除染すれば住めるのか?  

国は避難期間を明示し、移住による生活・コミュニティの再建 をお読みください。

 今回放出された両者の放射能比はほぼ1対1だが、線量率への寄与度は134が137の約2倍あるので、134の放射能が半減する2年を過ぎると線量率は3分の2になる。134の放射能がほぼ無くなり137の放射能が半減する30年後には6分の1~7分に1になると予想される。雨による流出や地下への沈降も考慮すると、10分の1程度には減少するかもしれない。

 それでも現在毎時10マイクロシーベルトの場所は毎時1マイクロシーベルトに留まる。年間の外部被曝量は、ICRP基準で通常時の1ミリシーベルトを大きく超える5ミリシーベルトになってしまう。これでは帰還は短期的には難しいと言わざるを得ない。

 都市部では土に覆われている場所は、公園や道路脇、学校の校庭や人家の庭などに限られる。セシウムは土の表層に留まっているので、5~10cm程度をはがし、また建物や道路、コンクリート表面は洗浄すれば、放射性物質をある程度除去することは可能だ。

 しかし、今回の福島第一原発事故で高濃度に汚染された警戒区域や計画的避難区域は、ほとんどが農山村である。5月に飯舘村では、放射線安全フォーラムというNPOが実験的に高線量地区にある民家の除染を行った。かなり大々的な除染であったが、期待したような結果は得られなかった。もし効果があったとしても、民家敷地だけの除染では、周辺に放射性物質が残ったままで、家の中では暮らせても、農作業を含めて日常的な生活がすぐに営めるようになるとは思えない。

 しかも、現地は農地と森林が一体となった環境である。その森林に降った水を灌漑用水に使っている。セシウムを含む落ち葉も舞い込んで来るであろう。除染は農地と森林をセットで行わなければ意味がない。

 森林の除染は農地よりもやっかいだ。セシウムは葉や樹皮に吸着され、地表では厚く積もった落葉落枝や腐葉土に染み込んで、その下の土壌にまで達しているからだ。確実に除染するには樹木を皆伐し、地表をかなり厚く削り取るしかなかろう。この費用は、農地の数倍かかるだろう。

 さらにこれに除染した土などの処理費用が加わる。居住区・建物の除染を含めて、全体の費用が10兆円を超えると見積もっても大げさではあるまい。しかも除染は確実に農地の質を低下させ、広範囲の森林の皆伐、表土除去は地域生態系に壊滅的影響を与える。 
 帰還が適う日まで一体どれほどの間、待てばいいのか、いま避難住民がいちばん知りたいのはそのことだ。
 国は、警戒区域の一部について避難が長期化することをようやく認めた。しかし、すぐに戻れないのは原発周辺地域ばかりではない。重要なのは、汚染度別に避難期間を明らかにし、避難が中長期に及ぶ地域に関しては移住地を用意し、そこでの生活や仕事の再建の道すじを示すべきだ。移住地で暮らしながら、線量の下がった区域から段階的に帰還する復興プランも必要になる。

 その通りだと思う。チェルノブイリ25年後になお2000kmはなれた英国の羊に”1キログラム当たりの放射性セシウムが1千ベクレル”を越えて出荷できないできないといういう。
帰還が適う日まで一体どれほど待てばいいのかを知らせることは大切。でも帰還が適う日はくるのか?生涯戻れない、戻ってはならないという地域が多くあるはず。


 そのことを早く知らせ、別の地で暮らしていけるよう保障、援助していくのが政府の責務だと思う。そのことを直視すれば、原発事故により放出された放射線物質、汚染土壌、焼却灰などを安全に閉じ込めて管理する最終処分場設置の展望が開ける。





2011.10.24 Mon l 放射能・除染 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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