福島原発事故により、原発安全神話は崩壊し、事故は起こるが常識になった。
再稼動を後押しするのは、原発は安全になったという原子力工学ではなく
”放射能安全神話” ”放射能は安全であるという教育” になってきている
そんなことも感じた京都大学基礎物理学研究所で2015.11.5~11.7に開催された
国際ワークショップ であった。名称は
”生物・医学を物理する:放射線と物理、医療を物理する、生命システムのモデリング”

福島原発事故から4年が経った。政府は福島原発事故で年間20ミリシーベルト以下の地域に住民を帰還させようとしている。原子力規制委員会は、「100 ミリシーベルト以下では健康リスクの明らかな増加を証明することは難しいと国際的に認識されている」として、帰還を後押しする。外部被曝のみで、5年間で最大100ミリシーベルトになる。妊婦、子どもを含めた家族が、放射線作業従事者に現在認められている年間の最大被曝線量(20mSv)の中で暮らすことを強要して、帰還した人々の健康は守られるのか。この疑問を解きたくて、国際ワークショップにポスター発表で参加した。
生物・医学を物理する:放射線と物理、医療を物理する、生命システムのモデリング
ワークショップのテーマは
1. Biological effects of low-dose radiation, radiation protection
2. Physics for medicine (i.e. medical physics, medical statistics)
3. Modeling of biological systems (i.e. biophysics, population genetics)
で1.低線量被曝の疫学と放射線防護に関心があった。

2011.3.11 からずっと考えてきたこと
原爆被爆者疫学調査とチェルノブイリ~福島 を調べなおして英語論文にした
Epidemiology of the Atomic Bomb Survivors and Chernobyl to Fukushima Accidents
をポスター発表した。

低線量被曝についての興味を持った発表を取り上げる ABSTRACTへ
☆1 低線量被曝10~20ミリシーベルトでも癌リスクが有意に増加する
"Low-dose and low-dose-rate epidemiology of cancer and non-cancer effects "
Mark Little (US National Cancer Institute)
☆2福島の甲状腺結節の増加と事故による放射性ヨウ素との関係の疫学解析
"A Possible Warning from Fukushima: An Update" Y. Hamaoka (Keio Univ.)
 甲状腺被ばく線量と甲状腺結節罹患率の間に有意な正の相関があった。
 [A2(5mm以下の結節)、B(5.1mm以上)と10歳児の甲状腺線量推定値との間]
 甲状腺がんの現状を心配する気持ちで一致した。
放射能は安全である、心配するのが有害という立場の発表もあった
放射線量測定のセッション Radiation dosimetry
★"What we learn from the large-scale soil sampling for radioactive nuclides emitted from the  Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident" 
日本および東アジア諸国の原発設置の現状の解説と原発事故後の土壌汚染を大規模に調査された報告があった。
 ・What do we study from the NPP accident for future?将来のために原発事故から学ぶこと
 ・What should we prepare for urgent accidents? 今後の過酷事故に向けて備えるべきこと
については、正しい教育であるとのことだった。
正しい教育の内容については分からなかったが、後の質疑では
 ★早く避難指示を解除してみな帰るようにすべきだ
 ★原子炉が低温に落ち着いた時点で避難指示を解除すべきだった
  など、安倍政権や自民党顔負けの強硬意見も多かった
  原発安全神話は壊れてれしまったので、次の原発事故に備えて
 ★”放射能は安全ですよ” という教育が重要 との意見が多く
この考えが多数派であるようにも見えた。
私の質問は
 ・原発が日本に多数あり、韓国・中国にも多数ある現状で生き延びるためには原発を再稼動しないこと
 ・再稼動されるのであれば、事故に備えて安全な外国に移住するための資金を用意する
の2つしかないのではないか?
しかし出席者の多数は、”被曝を恐れず避難もしない” のようであった。
”放射能は安全だから避難の必要はない” に本人や家族も含まれているのか
避難して生活できない住民のみに適用されるのではないか、に疑問が残った。

★被曝の健康影響は、被曝線量と被曝速度によって決まる。原爆被爆者の固形癌・白血病などの発病率は被爆速度で決まり(瞬間的)ので、ゆっくりした被爆の健康影響はない。
1日1ミリシーベルト程度は健康によい(健康的な被曝)!!
"Revision of Radiation Biology -Importance of Dose-Rate-"
 Atomic Bomb Radiation Effect The incidence of solid tumor, leukemia, and chromosome aberration with A-bomb radiation exposure is caused by the radiation dose rate effect. The dose effect might appear at the dose more than 2 Gy.
筆者の発表原爆被爆者疫学調査とチェルノブイリ~福島 では、福島20ミリシーベルト帰還基準の根拠にも見える”100ミリシーベルト安全仮説”=”放射線の健康影響について、がん死亡のリスクは 100-200mSv 以上では放射線の被曝線量に正比例しているが、
それ以下ではどういう関係になっているかは分かっていない” を放射能影響研究所(RERF)の原爆被爆者疫学調査にさかのぼって検証した。原論文では100ミリシーベルト以下の被曝でがんリスクの増加は統計的に有意に検出されているとの結論が、RERFによって改ざんされている。
☆著者による論文要旨の日本語訳
全固形がんの過剰相対リスクが有意となる最小推定線量範囲は 0–200 ミリシーベルトであり、しきい値は示されず、ゼロが最良
のしきい値であった。
☆放影研による論文要旨
総固形がん死亡の過剰相対リスクは被曝放射線量に対して
直線の線量反応関係を示し、モデル直線のしきい値はゼロ=(LNT) であるが、
[ リスクが有意となる線量域は 200 ミリシーベルト以上で あった。] ★★ ←が加えられている。
 この点を”LNTモデルの意味と科学” の発表に対して質問した。
"Science and the implication of the LNT model"
回答は、ICRPはLNTモデルを採用して放射能防護を考えている。
緊急事態後の復興期の現存被爆状況が年間1~20ミリシーベルトであり、公衆の被曝限度は1ミリシーベルト/年 である。
100ミリシーベルトが安全とは言っていない。ICRPの報告を読んでほしい であった。
最高レベル7の福島原発事故では、緊急事態後の復興期が4年以上継続している。期限のない復興期を、若い家族がいつ終わるともしれない高汚染の中で生活できるはずがない。
発表された方は放影研の理事長であり、ICRPの委員をされているTOPの方と後で知ってびっくり。

被曝の健康影響や生物への影響を研究する人たちは
人々の健康を守ってくれるのか?という疑問がふくらみ
放射能安全神話が作られつつある・・・とも感じた

いろいろな考えの専門家や若い人たちと
直接話できたのはよい経験だった 感謝!!
2016.08.30 Tue l 原爆症・低線量被曝検証 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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