県民健康調査における中間取りまとめ
平成 28 年 3 月 福島県県民健康調査検討委員会

放射線の影響とは考えにくいとする理由の1つとして、事故当時5歳以下からの発見がないことと、何度か言われてきた。
チェルノブイリ原発事故では4~5年後から周辺の子供たちの甲状腺がんが増加し、
事故時0~4歳の小さい子供ほどがんになるリスクが高かったと、委員会で報告されている。

◇事故当時5歳以下からの発見がないことから 
  「放射線の影響とは考えにくいと評価する」という見解は事実と反する


山下俊一現福島県立医大副学長は米国放射線防護協会の基調講演で、
チェルノブイリ放射能汚染地域での甲状腺がん罹患率の年齢依存性を報告されている。
米国放射線防護協会 第49回年次大会 第10回ウォレン・K・シンクレアー基調講演
山下俊一の3月11日NCPR基調講演および和訳 より
「福島原子力発電所事故と総合的健康リスク管理」
山下俊一 2013年3月11日 

図1.チェルノブイリ汚染地域の甲状腺がん罹患率(山下俊一)
山下NCRP甲状腺がん年齢依存
赤:0-14歳 青:15-19歳 黒:20-24歳
0-14歳の甲状腺がんは事故後4年間は殆どなく、それ以後増えるのはベラルーシのみ
検討委員会ではチェルノブイリの例としてベラルーシ(左上)のみ取り上げられ
《福島では5歳以下の癌がないので被曝影響とは考えにくい》 は事実に反する。

図2.ベラルーシの甲状腺がん罹患率(山下俊一)このグラフのみ出回っている?
山下ベアルーシ甲状腺がん

ウクライナ・ロシアでは0-14歳の罹患率は低く、15-19、20-24歳の方が多い。
年齢依存性は3つの国で随分異なる。
★ウクライナ事故当時0-5歳では12-14歳になって初めて甲状腺がんが見つかる。
事故後早くて7-8年後、なぜそうなのか分かっていない。
★ロシア 事故当時5歳以下の層に患者が増加したのは事故から10年以後
 事故直後にまず増え始めたのは、事故当時15~19歳の層やそれ以上の年齢

参考リンク
山下俊一の3月11日NCPR基調講演 福島原子力発電所事故と総合的健康リスク管理
被曝による甲状腺がん多発  2016.2.15 
甲状腺がん『被曝の影響ではない』 は事実に反する 
IAEAチェルノブイリ原発事故による環境への影響とその修復:20年の記録(全文)
p.188 甲状腺被曝線量 ウクライナ 以下

甲状腺被曝線量は主に131Iの摂取で規定されるが、短寿命核種(132I, 133Iおよび135I)による内部被
曝も考慮する必要がある。一般公衆のなかで甲状腺被曝線量中の短寿命核種の割合が最大だった
のは、プリピャチの住民と推測されている。この住民集団は、事故の約1.5日後には避難させられ
たので、放射性ヨウ素による被曝が事故直後の吸入によるものに限られたからである。プリピャ
チからの避難住民65名に実施された甲状腺および肺の直接スペクトル計測によって、短寿命核種
の甲状腺被曝線量への寄与度が、甲状腺のヨウ素取り込みをブロックするための安定化ヨード剤
を服用しなかった人の場合で20%であり、事故後すぐにヨウ化カリウムの錠剤を服用した人の場
合には50%以上であることが判明している[5.49]
。しかしいずれにせよ、プリピャチからの避難住
民の甲状腺の総被曝線量は、汚染食品を摂取した住民と比較して、相対的に小さいものであった。
汚染地域に住み続けた住民の場合、甲状腺被曝線量のうち短寿命核種に由来するものの割合は
小さかった。甲状腺被曝のほとんどは、汚染されたミルクやその他の食品に由来したのだが、
物連鎖の中を放射性ヨウ素が移動し人間に摂取されるまでの間に、短寿命の放射性ヨウ素は放射
性壊変するため、短寿命放射性ヨウ素の寄与は、131Iによる甲状腺被曝線量の、1%程度と推測さ
れている。

チェルノブイリ事故後の放射線によって最も被害を受けたウクライナ北部地域(すなわち、キ
エフ、ZhytomyrおよびChernigov地域)における、個人毎の甲状腺被曝線量の分布を表5.6に示す
[5.45]。この表に示された線量分布は、およそ100,000人の甲状腺の計測結果に基づくものである。
集団内の甲状腺被曝線量の分布範囲は広く、0.2Gy以下から10Gy以上にまで及ぶ。10Gy以上の線
量集団には、乳幼児の1%が含まれるが、5〜9歳児は0.1%未満、青年層では0.01%未満である(図
5.13参照)。表5.6の全年齢層、特に低い年齢層において、一時的甲状腺機能障害や甲状腺癌の発
生例がみられたことからみても、この被曝線量はかなり高レベルだったといえる。

2017.01.25 Wed l 福島甲状腺がん l コメント (0) トラックバック (0) l top

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