2016.6.19に掲載分であるが、福島医大のグループが、福島原発事故による外部被ばく線量と、甲状腺がん発生割合に関連なしとする研究論文発表に関連して、2016.11.1掲載と改める。
第 23 回「県民健康調査」検討委員会資料 が2016.6.6発表された。
検討委全資料はこちら 「県民健康調査」検討委員会資料

外部被ばく線量推計 と2011-13年の先行検査、2014-2016年の本格検査の甲状腺がん・がん疑い発生率を地域別にプロットすると明らかな比例関係が見られた。
福島甲状腺がん多発は、原発事故の被ばくによる
ことが明らかになった。

先行検査Ⅰ(2011-13) の甲状腺がん・がん疑いは116人(手術101人中100人がん判明)
本格検査Ⅱ(2014-15) の甲状腺がん・がん疑いは57人(手術30人全員がん判明)
Ⅰ+Ⅱ(2011-2015) の甲状腺がん・がん疑いは173人(手術131人中130人がん判明)
本格検査57人の先行検査結果はA 判定53人で殆どが2年間で成長したがんであることを示している。

図1.Ⅰ+Ⅱ(2011-2015) 先行+本格、における甲状腺がんの発生率と外部被ばく線量の関係
甲状腺がん線量関係先行本格
甲状腺がんの発生率が、外部被ばく線量に比例して(原点を通る直線に沿って)増加している。
決定係数R² = 0.98 で極めて強い相関を示している。 [R² (0~1 )が1 に近いほど相関関係が強い]
統計学的有意性については、p=0.00001 で極めて有意である。[一般にp<0.05で有意]

汚染の少ない会津(5・6群)では甲状腺がんの発生がなく、1群原発周辺、2群浪江・南相馬ががん発生率が最大、次いで3群福島市・郡山市の線量は高く、がん発生率も高い。
事故後5年間に見つかった
甲状腺がんのほぼすべてが被ばくによること
 を強く示している。

図2.先行検査における甲状腺がんの発生率と外部被ばく線量の関係
甲状腺がん線量関係先行
先行+本格検査と同じく、先行検査の甲状腺がん・がん疑い発生率は、線量に比例して増えている。
決定係数R² = 0.87 で強い相関を示し、p=0.001 で極めて統計学的に有意である。

図3.本格検査における甲状腺がんの発生率と外部被ばく線量の関係
甲状腺がん線量関係本格
放射線量に比例して甲状腺がんの発生率が増加している。
決定係数R² = 0.88 、p=0.001 で極めて統計的に有意な強い相関を示している。
本格検査25.7万人中57人という発生に対して、甲状腺がん発生と線量の間に比例関係が統計的に有意に成立することは驚くべきことであろう。
本格検査のがん・疑い57人の先行検査結果はA 判定53人で、殆どが2年間で成長したがんであることと、甲状腺がんが線量に比例して増えることを考え合わせると
本格検査で見つかった甲状腺がんのすべてが被ばくによること
を強く示している。

図4.1群~6群の地域地図 ダブルクリックすると大きくなります。
1群原発周辺、2群浪江・南相馬・飯館、3群福島市・郡山市を含む福島中通り、4群いわき市、5群会津、6群西会津に順に、汚染が少なく、外部被ばく線量が低くなっていく。各群の外部被ばく線量は「県民健康調査」検討委員会資料 の線量推計値から、一時検査受診者数で加重平均して求めた。
福島甲状腺がん6群、地図
図5.福島県甲状腺がん・がん疑い172人(2016.3.31現在、2016.6.6発表)と比較
原発周囲、北西方向への高汚染地域は高いがん発生率、低汚染会津地域(5・6群)は有病率≒0、がん発生なし、などよく対応している。
福島甲状腺がん2016.3.31

以上、「県民健康調査」検討委員会資料、本格検査、先行検査、外部被ばく線量のみから、
福島で多発する甲状腺がんは被ばくの影響
であることが明らかになった。

表1.1群~7群の地域分類 クリックすると大きくなります。
福島地域分け

表2.各群の外部被ばく線量と先行検査・本格検査の甲状腺がん発病率(がん・がん疑い/1万人) クリックすると大きくなります。
福島被ばく線量甲状腺がん率

参考リンク
福島甲状腺がんは外部被ばく線量と強い相関
なぜ福島県の子どもに甲状腺癌が増加しているのか?地図化して比較する
2016.11.01 Tue l 福島甲状腺がん l コメント (2) トラックバック (1) l top

コメント

凄い
凄い資料です。知っておくべきです。
2016.09.25 Sun l No Name. URL l 編集
No title
福島県甲状腺がん検討委員会の資料はとても重要です。
私たちは進行している状況を読み取って、発病者の治療、がんの進行を止めるための方策、避難の権利、子どもたちの保養など対策をとるべきです。
2016.09.26 Mon l natureflow. URL l 編集

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