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米、自然エネ革命進行中 自然エネルギー財団・石田雅也氏に聞く
2018年11月6日朝日新聞夕刊 より転載
コスト減で太陽光25倍・風力倍増

 米国で風力発電と太陽光発電が大きくシェアを伸ばしている。公益財団法人・自然エネルギー財団(東京)で、同僚のロマン・ジスラー氏とともに米電力市場の動向を報告書にまとめた石田雅也氏に聞いた。

米エネルギー

 ■風力・太陽光、コスト低下で拡大

 ――米国ではどんな変化が起きているのですか。

 「米国のエネルギーといえば『シェールガス革命』が記憶に新しいのですが、
2010年ごろから始まった風力発電と太陽光発電の急拡大は、次の『革命』
と言っていいぐらいです。トランプ政権になって石炭火力や原子力発電に戻るのでは、という見方が日本にはありますが、実際にはそうはなっていません」

 ――報告書によると、風力発電設備(17年、累計)は8908万キロワットで10年から倍増、太陽光発電(同)は5104万キロワットで25倍になりました。なぜでしょう。

 「コストの低下です。風力発電機の1キロワットあたり価格は08年の約1600ドルから16年には800~1100ドルに下がりました。量産と大型化で発電量が増え、相対的にコストが下がったのです。
太陽光発電システムのコストも、中国製パネルの普及などで10年から17年にかけ4分の1以下になりました」


 ――政府のエネルギー基本計画は、30年の電源構成を原子力発電20~22%、石炭火力26%、自然エネルギー22~24%としています。

 「世界の流れから立ち遅れています。自然エネルギーの価格が高く、量も少ない状況が続くと、海外の企業は事業拠点を日本から移すおそれがあります。日本の産業界には、危機感を持って『自然エネルギーをもっと増やして』という声を上げてほしいと思います」
 ――企業など電気を使う側の反応はどうですか。

 「火力発電はいつ燃料価格が高騰するか分かりませんが、自然エネルギーなら燃料費がかかりません発電コストが火力と同等であれば、自然エネルギーを選びます
火力だと将来、二酸化炭素(CO2)の排出で何らかの負担を求められるかもしれません」

 ――ここ7年間で全米の半数以上の石炭火力発電所が廃止になり、100基近い原発も17年時点で半数以上が赤字とされています。

 「米国の場合、まず安価なシェールガスを使ったガス火力に対して、石炭火力や原子力が相対的に高くなりました。加えて自然エネルギーが増え、既存の火力、原子力の稼働率を下げざるを得ず、採算がさらに悪化しました」

 ――電力会社の経営はどうなっていますか。

 「電源構成を自然エネルギーに変えている会社の方が収益が良くなっています。例えば大手電力ネクストエラ・エナジーは全発電設備の3分の1近くを自然エネルギーにしています」

 ■日本は高価・少量、企業流出懸念

 ――日本では自然エネルギーの価格が高止まりしています。

 「12年に始まった自然エネルギーの固定価格買い取り制度の仕組みに不備がありました。とりわけ太陽光発電は、設備が稼働しなくても(買い取ってもらえる)権利を残せるため、競争してコストを安くするというモチベーションが欧米に比べて弱いのです」

2018.11.06 Tue l 再生可能エネルギー l コメント (0) トラックバック (0) l top

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